2018年6月18日朝に大阪府北部を震源とする大きな地震が発生し、現在も復旧活動や被災者の救助、支援が行われています。現時点での発表によりますと、大阪府内で4人の死亡と、負傷者については2府4県で376人と分かっています。また大阪府内の402カ所に814人、京都府では3カ所の避難所に24人が避難しています。兵庫県内では8カ所の避難所の開設を行っており、今後まだまだ被災者の数は増え続ける見通しとなっています。
専門家によるとマグニチュード6.1の地震のクラスは、日本に住んでいれば何処にでも起こり得るとされています。また地震を含む自然災害というのは、予測していても発生するタイミングを正確に把握することは不可能ですし、災害の準備をしていてもいざ発生しても直ぐに対応が出来ない場合もあります。
そういった現状の中、過去の自然災害で運悪く身体に障害を負ってしまった方もいます。
国では、自然災害が原因で身体障害者となってしまった方の実態把握と、障害を負ってしまった方の今後の生活の支援を目的に、身体障害者手帳の申請用紙に添付する医師の診断書の様式の改正を行いました。改正のポイントとしては、診断書の様式内にある障害原因欄に「自然災害」という項目が追加となった。そこで何故改正を行ったのかなど、改正に至った経緯や詳細についてお伝えしていきたいと思います。
現在では33県が様式の改正は済んでおり、東京都を除いた残りの県については、様式の改正の把握と仕組みが整う見通しとなっていることが分かっています。補足ではありますが、全20市の政令都市については、14の都市では改正済み、6都市は改正を行う予定とされています。
唯一改正を行わない東京都については、「障害認定に当たる原因については着目していない。また国が改正した様式の変更に目的があるとされているが、その集めた情報はどのように利用するのか、役立てるのか等、はっきりとした内容がなく、必要性が不透明である」と回答されており、国と東京都の意見が真っ向から割れているのが現状です。
この様式の改正については冒頭でお伝えした通り、災害が原因で身体に障害を負ってしまった被災者の実態の把握と今後の生活支援に役立てるのが目的となっています。改正に至るまでは、自然災害が原因で身体に障害を負ってしまった方についての追跡調査を、国は十分に行っていませんでした。そのため、災害後の生活の支援が行われづらいという現状でした。
また23年前に発生した阪神淡路大震災から現在まで、自然災害による原因で障害を負ってしまった人数については349人と判明していますが、正確に証明できるものは分かっていないといいます。(兵庫県と神戸市の調査より)
そのため、阪神淡路大震災障害者や支援者たちが、身体障害者手帳の申請時に添付する診断書に、「自然災害」が原因と記入できるように求めていた。その結果、神戸市では2012年に全国で初めて、身体障害者手帳の申請における診断書の様式の改正が行われ、その5年後の2017年3月に国でも、正式に様式の改正の通知を都道府県等に行われました。
現状では精神障害者や知的障害者については、取り組みはほとんど進んでいません。
しかし神戸市では、知的障害者の個人ごとのファイル、データに災害が原因となるのかについて記載する様式に改めています。