家族がおむつをすることになった場合、どのようなおむつを選びますか?おむつにもさまざまな機能や容量といった種類があります。介護される方の状態に合ったおむつを選ばなければ、買うお金も時間も無断になるので慎重に選ぶ必要があります。ここでは初めておむつを使う方や、その家族に向けて、高齢者におすすめのおむつと選び方についてお伝えします。
大人用のおむつには大きく分けて外側と内側の2種類のおむつがあります。外側のおむつはパンツタイプとテープ止めタイプ、内側のおむつは尿取りパッド、フラットタイプがあります。
それぞれ機能も履き方も異なるため、自分に適したおむつを選ばなければ漏れの原因や肌トラブルなど色々な問題がでてきます。
おむつ選びで失敗する人の例では、おむつのパッケージだけを見て「これ良さそうね」と何となく買ってしまい、結局合わなかったというケースです。どんな商品も良い点を全面的に出してくるのは当然です。ですが、どんなに良いことを書いていても履く人の状態や体型に合わないおむつならば何の役にも立ちません。
そういった失敗をしないためにも、まずはおむつの特徴を知ることが重要になります。
パンツタイプは座る、立つ、歩くといった日常生活動作がしやすいように設計されているため、トイレやポータブルトイレで排泄できる方におすすめです。
吸収量についてですが、尿の吸収量2、3回分の昼用、4回以上の長時間用もしくは夜用があります。一般的な高齢者の1回分の排尿量は100~150ccと言われており、多くの各メーカーは排尿量150mlを1回分としておむつを作っています。
これを見ると吸収回数が多いおむつの方が安心かと思いますが、水分を多くとっていたり、内服薬などで尿量が多くなる人もいるので、吸収回数はあくまで目安と考えた方が良いでしょう。また、吸収回数が多くなればなるほど、おむつの厚みや重さ、ニオイが増すので、外出時は注意してください。
吸収量と同じくらい重要なのがサイズ選びです。基本的にパンツタイプのサイズはウエストを基準にしてSS~LLサイズ、物によってはそれ以上あります。適正サイズのおむつを履かないと、体との間にすき間ができるので漏れの原因になります。そのため、購入前には必ずウエストを測っておきましょう。
テープ止めタイプは、病気や障害などでベッド上で排泄を余儀なくされた方が使用するおむつです。そのため、寝返りをしても尿や便が漏れづらい構造になっています。
尿の吸収量については、パンツタイプと同じく昼用夜用と様々ありますが、基本的には多くの尿量を吸収してくれます。
テープ止めタイプの使用方法は、パンツタイプとは違い、ふんどしのようにお尻の前後を包み、腰部分をテープで止める仕様になっています。自分の丁度いいキツさに調整ができるので寝ていても楽に過ごすことができます。
パッドタイプは尿取りパッドのことを言います。パッドタイプは、テープ止めタイプやパンツタイプに合わせて使う内側のおむつで、性質上外側のおむつの種類に合わせて使うため、さまざな形状と吸収容量があります。
パッドの吸収量は、外側のおむつ同様に昼用夜用のパッドがあり、1回分しか吸収できないものから、10~12回分と多く吸収できるものまであります。パッドの形状は、男女兼用パッドや男性専用のパッド、立体ギャザー有り無しがありますので介護を受ける人がどのような状態かで選び方は変わります。
例えばですが極端な話、男性でも状況によっては男性専用のパッドではなく兼用パッドの方が良い場合もありますので、パッド選びはご本人と相談して決めると良いでしょう。
パッドタイプの使い方は、おむつや下着の上に敷いて使います。女性でいうところの生理用ナプキンの使い方と一緒で、それが尿取りパッドになったイメージです。
夜間タイプには外側用と内側用がありますが、どちらも一晩中横に寝た姿勢でも漏れない吸収容量および工夫がされています。
夜間タイプを使用する人は、夜間に1人でトイレに行けない人や睡眠薬の服用でトイレに行くのが危険な人、夜間はぐっすり寝たい人、介護の負担を減らすために使う人など多岐に渡ります。
人によっては夜間タイプ一枚では足りない人もいますが、通常タイプよりおむつ交換の回数は削減できるので、ご本人や介護をする方も長時間安心して休むことができます。
フラットタイプは、長方形型の真っ平のおむつで、テープ止めタイプと併用して使うのが一般的です。
使用例としては、ベッド上で陰部洗浄をする時や下剤などの服用で、通常よりも多く排泄してしまう可能性がある時に保険として敷いて使います。そのため、フラットタイプを単体で使うことはほぼありません。
吸収量についてですが、大きさの割に吸収量が少なく、側面に立体ギャザーも付いていないため、横漏れがしやすくなっています。そういった点からフラットタイプは、上記のような使い方以外はあまり推奨できません。
初めて大人用のおむつを選ぶ人の多くは、何を基準にして選べばよいか分からないと思います。
おむつ選びで重要なのが、介護をされる人の身体状況や生活リズムの把握です。「そう言われても、よく分からない」という方のために、大まかな環境の例を出しながら、上記でお伝えしたおむつの特徴を当てはめて行きたいと思います。
そこからどのようなおむつが適当なのかが分かってくるはずです。
立ち上がった時に出てしまう人など不意に失禁をしてしまう人は、うす型の尿取りパッドがおすすめです。
うす型は、通常の尿取りパッドより下着につけても外からは目立ちづらく、着けても違和感がないものが多いのが特徴です。
吸収量については、1回もしくは2回分ほどの尿量しか吸収できないものが多いので過信は禁物です。
自力でトイレに行ける人は、うす型のパンツタイプのおむつがおすすめです。
うす型のパンツタイプは、おむつに排泄するのではなく、間に合わない時など保険的な役割で使うことが多いパンツです。なので「トイレで排泄できるけど、失敗するときもある」という方に適しています。ただ、うす型なので尿の吸収容量はそれほど多くはないので注意が必要です。
最初はおむつと聞くと拒否する人もいるので、拒否しそうな方にはリハビリパンツと言って渡してみるのも良いかもしれません。「おむつではなく、パンツなんだ」と思うだけで履いてくれることもあるので、試してみてください。
余談ですが、病院や介護施設などではおむつと聞くと嫌がる人も多いことから、パンツタイプのおむつのことをリハビリパンツと呼ぶ場所もあります。
介助があればトイレに行ける人は、うす型パンツタイプのおむつとパッドのセット、もしくは吸収容量が多いパンツタイプがおすすめです。
介助ありきの歩行は、独歩よりも歩行速度は確実に遅くなるので、トイレに行っている最中に失禁してしまうことがあります。そういった方は、うす型パンツタイプでは間に合わないことがあるので、うす型の上にパッドを敷くか、吸収容量が多いパンツタイプのおむつが良いでしょう。
ベッドや布団で寝て過ごすことが多い人は、テープ止めタイプのおむつがおすすめです。
テープ止めタイプはパンツタイプとは違い、おむつに排泄をすることを目的に使用するため、おむつと陰部がしっかり密着し漏れない工夫が施されています。
尿だけでなく便の漏れも防いでくれるため、身体状況の都合でトイレやポータブルトイレで排泄できない寝たきりの人はテープ止めのおむつが適しています。
初めての介護でおむつに対する疑問がある方もいると思います。そこで、ここでは初めておむつを使う人がよく思う疑問や質問を紹介します。もしかしたら、自分が思っていた疑問があるかもしれませんので、ぜひ見てみてください。
テープ止めタイプとパンツタイプによってサイズの測り方は異なります。
テープ止めタイプはお尻のサイズを参考に選んでください。パッケージにおむつに合うお尻のサイズの基準が書かれていますので、事前におむつを使用する人のお尻のサイズを測っておきましょう。
装着後、お腹とテープ止めの間に手の甲が入る程度のゆとりがあるサイズが適正です。ピッタリすぎるとお腹が苦しくなり、緩すぎると漏れの原因になります。
次にパンツタイプですが、ウエストサイズを参考に選んでください。パンツタイプのウエスト部分は比較的伸び縮みするので、神経質になる必要はありません。テープ止め同様、パッケージの表面にパンツタイプの基準サイズが書かれていますので、購入前に測っておきましょう。
おむつをするということは、老いを認めることにもなります。抵抗する人の多くは、老いの現実を受け入れられない、もしくは受け入れたくない人がほとんどです。そういった方に対して「おむつをしてください。」と言っても「嫌だ」と突っぱねられることでしょう。
対応策は状況で変わりますが、最初は尿取りパッドから始めてみるのも手ではあります。介護施設では、失禁が多くなった人に対して、いきなりおむつを提案をするのではなく、尿取りパッドなど比較的介護を連想させないような心のケアをします。
ですが、年齢を重ねるうちにパッドの交換回数は増えていき、ご本人もそうした現実を受け入れなければならない時が必ずきます。その時には、パンツタイプもしくはテープ止めタイプの提案を優しくしてみてください。
無理に勧めるとおむつへの抵抗が増すだけなので、本人を信じて待つことが大切です。
パンツタイプは、ウエストを基準にしてサイズを決めます。ですが、高齢になるとウエストは適正でも足回りが痩せていて、適正サイズのおむつがないというケースはよくあります。そういった方は、太ももまで生地がある一分丈のおむつがおすすめです。
漏れてしまう原因は、おむつと陰部周辺の間にすき間が出来ているか、吸収容量が足りていないかの2つの原因が考えられます。
すき間ができている場合は、サイズが合っていない可能性があります。パンツタイプであればウエストの測定。テープ止めタイプであればヒップラインの測定を行ってください。
次に吸収容量が足りていない場合ですが、外側のおむつとパッドを併用して使うか、現在使用しているおむつの容量よりワンランク多いおむつを試してみてください。それでも足りないようならばワンランクずつ上げていってみてください。
パッドタイプには、交換が楽な点と経済的である点の2つのメリットがあります。
まず、交換が楽な点についてですが、外側のおむつだけだと汚れた場合、おむつを履き替えることになります。しかし、おむつの上にパッドを敷いていれば、汚れたパッドを抜いて、新しいパッドを敷くだけで済みます。高齢者の方の多くは、おむつの履き替え動作だけでも大変なので、パッドの交換だけで済むのは助かります。
次に経済的な点です。1枚当たりのおむつの値段とパッドの値段を比べると格段にパッドの値段の方が安く、1パックに入っている枚数もパッドの方が多いのでとても経済的です。
おむつ外しをしてしまう人の多くは、履いている時の違和感や履きたくないという思いから外すことがあります。そういった方への対応は、履いているおむつのサイズ変更やメーカーの変更、通気性に特化したおむつへの変更などを試してみてください。
それでも拒否する場合は、おむつ自体に抵抗がある可能性もあるので、心理的な影響の緩和を考えて、比較的通常の下着に近い失禁パンツを試してみるのも良いでしょう。
おむつの交換のタイミングは、失禁を確認した時に交換してください。また、おむつに汚れが無くても、感染症予防の観点から1日1回は必ず交換してください。おむつとはいえ、1日中陰部に直接触れている部分ですので、いつまでも履いているのは衛生的によくありません。
基本的には、家庭一般廃棄物として捨てることができます。多くの自治体では可燃ごみとして出すことができますが、細かいルールが設けられている自治体もあります。
例えば、おむつは透明もしくは半透明の袋に入れて出す。袋の表面に油性ペンで「おむつ」と明記して出すなどです。
そのため、おむつを出す前に、必ずお住まいの自治体のゴミ出しのルールを確認することをおすすめします。
外側のおむつは尿取りパッドより1枚当たりの単価が高いため、尿取りパッドと併用して使うと1か月のおむつ代は安く済みます。自治体によって異なる場合はありますが、一定の要介護度の認定を受けていれば、1か月のおむつ代の助成金もしくは現物支給をしてくれる自治体もあります。要介護認定を受けている人は、一度自治体の福祉課に相談してみると良いでしょう。
男性は女性とは違い、男性器でおむつとのすき間ができやすいため、男女兼用を使うと横漏れをしてしまうことがあります。そういった悩みがある方には、男性専用の紙おむつを使うと良いでしょう。
介護用のパッドだと、尿の吸収量や横漏れ防止といった性能面に重きを置いているため、陰部付近に厚みが出てしまい目立ちやすいのが難点です。
ユニチャームライフリーさわやかパッド男性用尿とりパッドは、装着していても外から目立ちづらいため、ブリーフなどの通常のパンツを履いている人におすすめです。
軽い尿漏れに悩んでいる方には、丁度良い容量と大きさになっています。
オーバーナイト男性用は、Xホールと言われる特殊な穴があり、そこに男性器を入れることで寝返りや体位交換などをしても、男性器がパッドから抜けにくい構造になっています。
特に水分摂取が多い方や、点滴を投与されている方など普段より尿量が多い男性にはおすすめです。パッドの素材は、繊維による肌トラブルが多い人でも使えるよう防水シートに不織布を貼り合わせているため、肌トラブルを極力減らすような工夫がされています。
1度の尿の吸収量は750ml、回数にすると約5回分の尿を吸収できます。
女性はいくつになっても綺麗でいたいと思っています。そのため、女性が履くおむつは、外から目立ちづらく、ニオイを極力抑えてくれるものが良いでしょう。ここでは、おむつをしていても、周りを気にしなくてよいおむつを紹介します。
こちらは、パンツタイプのおむつになっています。うす型タイプなので外から目立ちにくく、約4回分の尿を吸収することが出来ます。また、肌に優しい柔らかい素材を使っているので、伸び縮みがしやすく履き心地のよいおむつになっています。
さらに、アンモニア臭を閉じ込める消臭ポリマーが配合されているので、すぐに交換できない状況でも安心して過ごすことができます。
リフレ女性用スーパー尿パッドお得用52枚入は、小型サイズで目立ちづらく、繰り返し吸収してもパッドの表面を素肌と同じ弱酸性を保ってくれます。そのため、すぐに交換しなくてもかぶれづらいのが特徴です。
パッドには滑り止めテープが付いているため、動いてもパンツからずれることはないので、安心して動けます。吸収回数の目安は約2回分となっており、尿量にすると約300mlまでです。
ここでは、男性女性の両方が使えるパンツタイプとテープ止めタイプのおむつを紹介します。
パンツタイプのおむつは、座った時に脂肪によってできたすき間から横漏れをしてしまうということもよくあります。しかし、こちらの白十字うす型やわ楽パンツは、加齢によって起こる胴回りの変化にも対応できるよう、あらゆる体型にもフィットできる構造になっているのですき間から漏れることはありません。
尿の吸収回数は約2回分、尿量にすると約300mlです。ニオイを防ぐ抗菌ポリマーも配合されているため、安心して過ごすことができます。
白十字 P.Uサルバ安心Wフィットは、白十字が開発したWフィット構造によって吸収体と尿道口のすき間をしっかりフィットさせるので、横漏れなどを防いでくれます。そのため、初めておむつを使用する人でも、簡単にプロの当て方ができる作りになっています。
他にも、素肌と同じである弱酸性素材で作られているため、かぶれにくいのが特徴です。こちらのおむつは、医療費控除対象商品になっていますので、然るべき申請を行えば費用の一部が戻ってきます。経済面でも大変お得なのでおすすめです。