会計検査院は、2015年度と2016年度に18府県157市町村に対して「介護自立支援事業」の調査を行い、その調査結果によりますと16府県66市町村で、家族介護慰労金の支給対象でない家族に対し、家族介護慰労金を支給していたことが分りました。支給対象でない人数は、6万7732人。慰労金の合計額は「8億9063万円」余りにも達したということです。ここでの記事では、今回会計検査院が調査を行った内容について触れていきたいと思います。
今回会計検査院が調査行った府県と市町村数は、18府県と157市町村です。その中で対象となった府県について、下記にまとめました。
◎2府 ・・・
● 京都 ● 大阪
◎16県・・・
● 福島 ● 茨城 ● 栃木 ● 埼玉
● 千葉 ● 新潟 ● 山梨 ● 長野
● 静岡 ● 山口 ● 徳島 ● 香川
● 高知 ● 福岡 ● 大分 ● 鹿児島
家族介護慰労金制度というのは、一定の条件はあるものの、中重度の要介護者が介護保険サービスを利用せずに、家族が自宅介護をしていることを前提に支給される制度です。その制度に対して調査を行ったところ、支給対象でない家族にも支給されていることが分かりました。家族介護慰労金制度の詳しい内容については、こちらをご覧ください。
そもそも会計検査院とは、一体どういった機関なのか。会計検査院とは、国の収入支出の決算や政府関係機関、国が補助金などの財政援助を与えている者(自治体など)の会計などの検査を機関です。
簡単にまとめると、国の収入や支出したお金が正しく使われているかなどを調査する機関です。調査結果は国会に提出することになっており、今回の調査結果については、厚生労働省に改善を求める要望書が出されたとされています。
会計検査院が行った調査結果の内容を、下記に簡潔にまとめましたので、ご覧ください。
・介護サービスを受けていないというだけで「家族介護慰労金支給」の対象要件としていた。
・慰労金支給対象者のうち、介護サービスを受けている慰労金支給対象者を交付金交付対象者に含めないこととしていた。
※原則:介護サービスを受けている者に対しては、慰労金支給のの対象外。しかし、一部例外に限り介護サービスを受けていても、支給対象になる場合がある。
● 16府県の66市町村等で、対象外の家族に慰労金を支給していた。
・介護サービスを受けているにも関わらず、67,732人が慰労金の対象にしていた。
● 支給対象者以外に支払った慰労金額が8億9063万円。
※情報元:http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/30/pdf/301017_zenbun_01.pdf