昨今、高齢ドライバーによる重大事故が全国各地で相次ぎ、政府も高齢者限定の免許制度を設けるための検討をするなど、今や国全体で考えていかなければならない問題となっています。
社会問題にもなっている高齢ドライバーによる事故ですが、ここでの記事では、わが国で起きた高齢ドライバーによる交通事故の中でも、重大事故に繋がった事故5選を紹介したいと思います。(※年齢は事故当時)
目次
2018年5月28日、神奈川県茅ケ崎市元町にある国道1号線で、90歳の女が運転する車が歩行者4人をはねる事故がありました。そのうち1人が死亡、3人が軽傷を負いました。
取り調べに対し、女は「赤信号と分かっていたけれど、急いで通過しようと思い、行ってしまった」などと話していました。 この事故で、過失運転致傷の疑いで、現行犯逮捕されています。
その後、2019年5月10日、横浜地裁から「禁錮3年、執行猶予5年(求刑禁錮3年10か月)」の有罪判決が言い渡されています。
2015年10月28日、宮崎県宮崎市の中心街で、75歳の男が運転する軽乗用車が暴走し、歩行者6人をはね、そのうち2人が死亡、4人が負傷しました。
警察によりますと、車は歩道を約700メートルにわたり走行し、歩行者を次々とはねたとされています。
この事故で、75歳の男が自動車運転処罰法などの疑いで現行犯逮捕されました。その後、男は宮崎地裁から過失致死傷の罪で、懲役6年(求刑懲役10年)が言い渡されています。
2016年10月28日、神奈川県横浜市港南区大久保の市道で、87歳の男が運転する軽トラックが軽乗用車に追突し、はずみで歩道側を集団登校していた小学生の列に突っ込みました。
この事故で、小学1年生の男児が死亡、男女児4人が重軽傷、軽乗用車の運転手と同乗の男性、軽トラックの87歳の男も負傷しました。
警察は、軽トラックを運転していた87歳の男を、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで現行犯逮捕しました。
2019年6月4日、福岡市早良区百道の早良口交差点で、81歳の男性が運転する車が暴走し6台の車を巻き込む多重事故が起きました。この事故で、9人が死傷しました。
暴走した男の車は、信号交差点から約700メートル前で車と衝突した後、そのまま対向車線を逆走し、次々と車に衝突しました。
この事故で、車を運転していた81歳の男性と同乗者の妻が死亡、歩行者含む7人が負傷しました。
2019年4月19日、東京都豊島区南池袋で、88歳の男性が運転する車が暴走し、9人が重軽傷(加害者除く)、母娘2人が死亡する多重事故が起きました。
男性が運転していた車は、①ガードパイプに接触、②自転車に乗っていた男性をはね、③母娘をはね、④ゴミ収集車と衝突後、⑤歩行者をはね、⑥トラックにぶつかり停止したとされてます。
また、この間に赤信号を2回無視しており、ブレーキをかけた形跡がないことがドライブレコーダーの記録で判明しています。この事故は、現在捜査中です(19年6月現在)。