わが国では高齢化という大きな問題を抱えています。また認知症患者の増加についても同様に問題とされており、平成24年時点での認知症高齢者数が462万人というデータが内閣府より公表されています。平成24年時点での高齢者数と認知症高齢者数462万人を、割合にすると7人に1人が認知症にかかっていることが分かっています。
しかしこのデータは平成24年時点のもののため、現在はさらに多いことは間違いありません。そして認知症の中でもアルツハイマー型認知症の罹患率が他の認知症より極めて多いことが分かっています。ますます増え続けると予想されている認知症ですが、ここでの記事では最も罹患率が多いとされているアルツハイマー型認知症の疑わしき症状および初期症状について分かりやすくお伝えしたいと思います。
冒頭でも軽くお伝えしましたが、アルツハイマー型認知症の罹患率は、他の認知症に比べて最も多いとされています。どのくらい多いのか分かりやすくするために、グラフにしましたので、ご覧ください。
諸説はありますが、上記のようにアルツハイマー型認知症の罹患率は高いといわれています。次に気づいた時には手遅れということにならないようアルツハイマー型認知症の初期症状についてお伝えしていきたいと思います。
私たちが何気なく日常生活を送っている中で、さっきまでしていたことを「あれ?」と忘れることがあると思います。しかしアルツハイマー型認知症の方は、短期記憶の影響を受けるため5分10分前のことを「スッポリ」抜けており覚えていません。つまり「なんだっけな~」ということがないということです。そのため、「もの忘れ」というよりかは「なかったことになる」と思ってください。
自宅に居ても「帰る」と言ったり、いつも通っていた場所から自宅まで戻れなくなり迷子になった。こういったことが起きてしまうのも、認知症の初期症状です。いわゆる「見当識障害」というもので、認知症の影響により見当識に障害を負います。見当識障害というのは、自分の名前や時間、場所が分からなくなることです。
まず住み慣れた場所で、行き先が分からなくなったり、戻ってこれなくなったことが1度でもあれば、たまたまとは絶対に思わないでください。
お茶と表現しましたが、普段飲んでいた飲み物や料理でも該当します。こういった動作を私たちは普段何気なく行っていますが、実は無意識にさまざまな選択(判断)をしているのです。
お茶であれば、「お茶っ葉を筒から開け」「お茶っ葉を急須に入れ」「お茶を沸かし」「急須にお湯を入れ」「湯呑を出し」、それが整い次第「急須から湯呑へ」という工程があります。しかし認知症の方は、この工程を頭では整理が出来なくなります。そのため全く出来なくなったり、途中まで出来てもその先が分からないなどといったことが起きます。
お茶を例に挙げましたが、普段を行っている動作が最後まで出来なくなった場合は、認知症の初期症状と考えてください。
これは認知症になれば必ず出る症状ではありませんが、初期症状の一つと考えられています。いわゆる「易怒性」と呼ばれるものですが、認知症の影響から「昔は出来たのに、今は出来ない」「何故出来ないんだ」「何故分からないんだ」などの焦燥感や不安が生まれます。そういったストレスから、些細なことでも敏感になり怒りっぽくなるのです。
また理性のコントロールが利かなくなるのも症状の一つのため、上記のことも加味して気性が荒くなってしまいます。
いかがでしょうか。
“ここでの記事では簡略な説明ではありましたが、広く一般的にアルツハイマー型認知症認知症の初期症状といわれています。まず認知症というのは、「老化」の一種と思われがちですが違います。正確には「老化」に伴い、認知症の発症の可能性が高まるとされています。可能性が高まるだけなので、老化をしても認知症にかからない人もいます。
そして覚えていただきたいのが、認知症は「脳の病気」です。繰り返しになりますが、認知症の初期症状は老化から来るものではありません。少しでもおかしいと感じたら、専門機関へ受診することをお勧めします。その専門機関先についてですが、一般的に「もの忘れ外来」が良いと思います。しかし近くにない場合は、「精神科」や「脳神経外科」「神経内科」、「内科」でも良いです。もし行った先の病院で詳しく診てもらえないということでしたら、別の病院を紹介してもらうと良いでしょう。”