2019年(令和元年)10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げるのに合わせて、年金を含め低所得者の生活を支援するために【年金生活者支援給付金】が開始されます。この制度を申請すれば、国民年金の保険料を40年すべて納めている人の場合だと月5,000円支給されます。ここでの記事では、年金生活者支援給付金の内容や給付金額、申請方法などについて解説したいと思います。
冒頭でも軽く触れましたが、年金生活者支援給付金とは年金を含めても所得が低い方(前年の所得額が老齢基礎年金満額以下の者など)の生活を支援するために、年金に上乗せして支給する制度です。
施行日については、2019年10月1日(消費税率10%への引き上げ日)とし、初回支払いは12月中旬に年金を受け取っている金融機関の口座に、年金とは別に10月分、11月分が支給されます。
また、この制度には65歳以上の高齢者(老齢年金生活者支援給付金)と障害者や遺族(障害年金生活支援給付金・遺族年金生活者支援給付金)とでは若干概要が変わりますので、分けてお伝えしたい思います。
老齢年金生活者支援給付金の支給対象者の要件は3つあります。
給付額については、【①保険料納付期間に基づく月額=5,000円×保険料納付済期間(月数)/480月】、【②保険料免除期間に基づく月額=約10,800円×保険料免除期間(月数)/480月】となっています。
給付例(対象者数:約610万人)
保険料納付済期間 | 保険料全額免除期間 | 給付金額 (月額) | 老齢基礎年金額 (月額) | 老齢基礎年金 +給付金額 (月額) |
---|---|---|---|---|
480月 | 0月 | 5,000円 | 65,000円 | 70,000円 |
240月 | 0月 | 2,500円 | 32,500円 | 35,000円 |
360月 | 120月 | 6,450円 | 56,875円 | 63,325円 |
240月 | 240月 | 7,900円 | 48,750円 | 56,650円 |
※引用:日本年金機構HPより
障害者や遺族への年金生活者支援給付金の支給要件は2つあります。1つ目は【障害基礎年金または、遺族基礎年金の受給者】。2つ目は【前年の所得が462万1,000円以下】となっています。
給付額については、障害等級2級者及び遺族は月額5,000円。障害等級1級者は月額6,250円となっています。
年金生活者支援給付金の受け取るには、上述の支給要件を満たし、認定請求という手続きを行います。
2019年4月1日時点で年金を受給している対象者に、日本年金機構から9月中に順次【年金生活者支援給付金請求書】という書類が送られてきます。この請求書(ハガキ大の大きさ)に、住所氏名、電話番号などを記入し、押印して返送するだけで手続きが完了します。
ここで注意しなければならないのが、請求手続きが来年(2020年/令和2年)1月以降に遅れてしまうと、請求した月の翌月分からの支給になりますので申請の遅れには十分気をつけてください。
補足ですが、給付金の支給途中で支給要件を満たさなくなれば支給は停止されます。そして、再び要件を満たしたときは、改めて手続きが必要となりますので、気をつけてください。
この制度を開始される頃には、恐らく、年金生活者支援給付金を語る特殊詐欺が出てくると予想されます。
予想される手口例としては、医療費の還付金詐欺のように、市の職員や日本年金機構の職員などを装った者が「年金生活者支援給付金を受けるには、ATMに現金○○万円を振り込む必要があります」「申請をする請求書類を送るには、先にATMに現金○○万円を振り込む必要があります」などといった電話がかかってくる可能性がありますので、くれぐれも注意してください。
繰り返しにはなりますが、年金生活者支援給付金の申し込み方法および受け取りの手続きは日本年金機構から届く書類を返送するだけですので、忘れずに覚えておいてください。
いかがでしたでしょうか。
消費増税の引き上げまであと半月程です。こういった制度があると月々の生活が厳しい人には朗報かもしれませんね。しかし、支給要件を満たしている人でも然るべき手続きを行わなければ給付は受けられませんので、気をつけてください。また、本文でもお伝えしましたが手続き書類の遅延は請求月の翌月分からの支給になりますので、手続き書類が届きましたら直ぐに記入し返送されることをオススメします。