近年、高齢化の進展に伴い介護保険サービスを利用する高齢者の方が年々増加しています。介護保険サービスを利用するには介護保険の新規申請を行い、認定が下りなければ原則利用はできません。そして晴れて認定が下りればサービスの利用ができます。そして、そのサービスの1つがディサービスです。
恐らく介護保険サービスのことを詳しく知らない人でも1度名前くらいを聞いたことがあると思います。ディサービスとは、自宅に送迎車が来て介護施設に行き、筋力トレーニングやレクリエーション、食事、お風呂などといったサービスを利用し1日もしくは半日を過ごすことができる場所です。
施設への移動手段は施設側が出す送迎車で行き来するので、体が不自由な人でも利用ができます。しかし、安全に介護施設と自宅を行き来するはずの送迎車ですが、意外と事故を起こしています(巻き込まれも含め)。ここでは、ディサービスの送迎車が起こした事故をいくつか紹介していきたいと思います。※ディケアも一部紹介します。
目次
2019年9月13日午後4時15分頃、福岡県行橋市流末の市道で介護施設の送迎車が電柱に衝突し、後部座席に座っていた92歳女性と88歳女性が死亡し、助手席に座っていた87歳女性が負傷しました。
警察は、送迎車を運転していたアルバイトの黒瀬涼斗(りょうと)容疑者(20)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで現行犯逮捕しました。
黒瀬容疑者は、福岡県みやこ町の【社会医療法人陽明会・通所リハビリテーションサービスつくし】に勤務し、事故当時はディケアを利用する高齢女性3人を自宅に送る途中に送迎車を電柱に衝突させました。
警察の取り調べに対し、黒瀬容疑者「脇見運転をして、車の前部を電柱に衝突させた」と容疑を認めています。
● 事故が起きた現場
● 事故を起こした施設
2019年8月20日午前9時過ぎ、山梨県市川三郷町黒沢の県道で、介護施設の送迎車が住宅の塀に衝突する事故がありました。この事故で、後部座席に乗車していた98歳女性が病院に搬送されましたが死亡が確認されました。
警察によりますと、送迎車は進行方向の右側の住宅の塀に衝突したということです。送迎車には、26歳の男性介護職員と死亡した98歳女性、一緒に後部座席に乗っていた96歳女性が乗っていました。96歳の女性は意識があるということです。
● 事故が起きた現場
2019年12月2日午後5時前、ディサービス【ラクラス】の利用者を乗せた送迎車が愛知県豊橋市上地町の100円ショップ【Seria(セリア)豊橋東田店】に突っ込む事故が起きました。
送迎車には、90代女性2人と80代男性が乗っていましたがいずれも軽傷でした。
警察によりますと、運転していたのは57歳の男性職員で、男性は「車をバックさせようとしたら誤って前に進んでしまった」などと話しているということです。
● 事故が起きた現場
【Seria(セリア)豊橋東田店】
2019年11月2日午後3時半ごろ、富山市呉羽町の市道で、介護施設の送迎用のワゴン車と対向車線を走っていた普通乗用車と正面衝突する事故が起きました。この事故で、ワゴン車に乗っていた5人の施設利用者がケガをし病院に搬送されましたが、このうちの94歳の女性が容態が急変し、4日午前に死亡しました。
警察は、どちらかの車が対向車線をはみ出した可能性があるとして事故原因を調べています。
2018年12月17日午前9時半ごろ、長野県信更町の市道でディサービスの送迎車が道路から約15メートルある崖下に転落する事故が起きました。
この事故で、後部座席に乗っていた87歳の女性が病院に搬送されましたが約3時間半後に死亡しました。また、同じ送迎車に乗車していた96歳の女性が骨盤を折るなどの重傷を負い、93歳男性と運転手の63歳女性が方を脱臼するなどのケガをしました。
警察によりますと、事故当時の路面は凍結状態だったということです。
2019年3月18日午前8時45分頃、徳島県鳴門市撫養町の交差点で介護施設のワゴン車と乗用車が正面衝突し、この事故でワゴン車に乗っていた80代の高齢女性2人が死亡しました。
死亡した2人のほか4人もケガをしましたが、命に別状はなかったということです。
警察によりますと、乗用車が追突事故を起こした勢いで反対車線に飛び出し、介護施設の送迎車に衝突したということです。
いかがでしたでしょうか。
「介護施設の車だから安心」という訳ではありませんが、利用者側からすれば細心の注意を払って運転していると思われますが記事でも紹介したように「わき見していた」「ペダルの踏み間違い」「塀に衝突」などといった事故はあり得ません。また、運転手は無事で後部座席に座っていた高齢者の方が亡くなっている事故がほとんどだったと思います。
いかに高齢者の体は、急な負荷や衝撃に耐えられないことが分かります。もちろん、徳島県のように貰い事故もありますが高齢者を送迎する以上は、命を預かっているという自覚を持ち、集中して運転してもらいたいものです。