近年、介護士が高齢者に対しての暴行(殴る・蹴る)や殺人といった事件が絶えませんが、わいせつ事件も意外と起きています。ここでは、介護士が高齢者に犯したわいせつ事件についていくつか紹介したいと思います。
目次
2015年12月26日午後4時ごろ、東京・練馬区にある介護老人保健施設【葵の園 練馬(医療法人社団 葵会)】に当時勤務していた介護職員・横山恭平容疑者(25)が、脚の不自由な70代女性の入所者のベッドに潜り込み、胸や下半身を触るなどのわいせつな行為したとして、強制わいせつの疑いで2016年6月16日に逮捕されました。
被害に遭った70代の女性は、4人部屋の1室に入所していました。横山容疑者は、他の入所者がリハビリなどで不在になるのを狙い、女性のベッドに入り【シャツの中に手を差し込み、胸や下半身などを触る】などのわいせつな行為をした疑いが持たれています。
女性は「やめなさい」「何するの」などと拒否をし抵抗していましたが、横山容疑者は犯行を止めなかったということです。後日、女性が家族に「施設を出たい」と相談し、(2016年4月に)女性の家族から「施設でわいせつな行為を受けている可能性がある」などと練馬署に相談したことで発覚しました。
女性の話によると【2015年の10月頃から翌年の2月】にかけて、複数回にわたり体を触られていたということです。
取り調べに対して、横山容疑者は「いけないとは思いながらやってしまった」と容疑を認めています。警視庁は余罪についても調べているということです。
● 事件が起きた介護老人保健施設
【葵の園 練馬(医療法人社団 葵会)】
2013~2014年にかけて、高齢者施設で担当していた74~100歳の入居者の女性27人に性的な暴行を加えたとして、2015年9月30日フィンランドの裁判所は24歳の看護師の男に禁錮9年の判決を言い渡しました。
男は、27人の入所者の女性たちにベッドやトイレで暴行。強姦27件、性行為の強要2件の罪について起訴されました。被害に遭った女性たちは、体が不自由だったり、認知症を患っていました。
求刑では禁錮12年でしたが、判決では「当事者以外の目撃者がなく、被害女性たちも証言が可能な状態ではない」とし、また事件において被告が捜査に全面的に協力した点が情状酌量されたとみられています。
男は、保護観察処分と地域社会奉仕が妥当だと主張するも、裁判所は【計画的な犯行】としてこれを却下し、禁錮刑に加え、被害者への賠償金1万8,000ユーロ(約240万円)の支払いを命じました。
※男の職種は看護師ですが、高齢者へのわいせつ行為且つ27人という卑劣な行為だったため紹介しました。
2015年10月、大阪府内にある病院で認知症を患う90代の女性に、男性介護職員がわいせつな行為をしたとして、家族側は病院と職員に慰謝料200万円を求め、大阪地裁に訴訟を起こしました。
2015年10月頃、90代の女性が担当の男性介護職員にいきなり胸を触られキスをされ、数日後に見舞にきた娘に被害を打ち明け発覚。女性は娘に「ヘルパーに胸を上下に触られ、口に口が入ってきた」と相談してきたということです。
娘は病院側に事の次第を伝え対処を依頼し、10日後に家族と病院側(院長・事務長・看護部長・看護師長)の面談が設けられ、翌月に再び面談が行われましたが病院側からは反省や謝罪の言葉はなかったということです。また、時期ははっきりしていませんが、わいせつ行為以外にも顔に平手打ちで殴打され、首をつねられるといった暴行を受けてたと主張するも、病院側に「水に流しましょう」と言われたということです。
これらのことから家族側は、2016年5月に【人格権を侵害して精神的苦痛を与え、不安な精神状態に陥れた】として病院を運営する医療法人と職員を相手取り、慰謝料合計200万円の支払いを求め、大阪地裁に訴訟を起こしました。これに対し、病院側は「職員が女性に不適切な行為をしたことは認める」とした一方で、家族側の主張をいくつか反論。
病院側でもわいせつな行為をした介護職員へ聞き取り調査を行ったところ、介護職員は「女性が処置に『ありがとう』と言ってくれたので、つい唇に触れてしまった」「女性の胸に触れた」などでした。
それに対し、家族側が介護職員に書かせたとする反省文を証拠として提出。
病院側は、訴訟前に家族が1,000万円の慰謝料を請求してきたと主張。それを拒否したことで今回の訴訟が提起されたことや、訴訟での請求は200万円だが病院が調べた限りでは介護職員は女性に暴行は加えておらず【慰謝料が高額すぎる】とし、双方争う姿勢を示しています。
現在女性は、家族側が病院への不信感などから特別養護老人ホームへ入所を決め、そこで生活しているということです。
※引用:産経WEST
いかがでしょうか。ここでは高齢者へのわいせつな行為3件をお伝えしました。
昨年の3月に厚生労働省はは2017年度の高齢者の虐待件数について、介護職員による虐待が前年比と比べ12.8%増加(510件)、12年度(155件)から5年間で約3.3倍も増加していると公表。この数値は、高齢者虐待防止法に基づき、全国の都道府県や市区町村で発生した高齢者虐待の対応状況をまとめたものです。補足として、公表された虐待件数は、暴力やわいせつを含む身体的虐待以外の虐待も含まれています。
介護の現場は慢性的に人手不足で業務も多く、正直わいせつな行為をしている時間や余裕はないはずなのですが、こういう事件があると世間は「やっぱり、介護士は・・・。」「人が潤えばさらに堕落するのでは?」となってしまいます。やはり、こうなってくると真面目に介護をしている人が気の毒になりますよね。考えを甘くして介護業界に従事している人は【介護とは何か】を今一度、真剣に考えてもらいたいと思います。