現在、見内である家族が介護を苦に高齢者を殺す事件は、全国各地で発生しているのはご存知でしょうか。2007年以降、わが国では日本の犯罪統計において、事件の動機別分類に「介護・看病疲れ」という項目が追加されました。項目が追加された2007年から2012年までの6年の間に「介護・看病疲れ」を動機に検挙された傷害致死事件は16件、殺人事件は234件ありました。ここでの記事では、2019年1~5月までに起きた介護苦の殺人事件5選を紹介したいと思います。
目次
2019年1月17日午後、福井県福井市の自宅で同居する84歳父親を殺害したとして、広瀬嘉一容疑者(57)を殺人容疑で逮捕。
広瀬容疑者は、父親をロープのようなもので絞めつけ殺したとみられており、取り調べに対し「父親の介護が上手くいかずカッとなった」「殺すつもりはなかった」と供述。殺意については、否認している。
2019年3月2日午後5時頃、大阪府茨木市の自宅で同居する81歳父親を殺害したとして、次男の無職・鈴川幸二容疑者(46)を殺人容疑で逮捕。
警察によりますと、父親の殺害後、鈴木容疑者もカミソリで自分の首を切り自殺を図ったが軽傷を負った。取り調べに対し「父が1か月前から病気で寝たきりで、介護を苦に首を絞めた」「父の首を絞めた後、自殺しようとした」と供述。
鈴木容疑者は、両親と3人暮らしをしていた。
2019年3月22日午前、熊本県八代市二見洲口町に住む91歳母親を殺害したとして、宮崎和代容疑者(63)を殺人容疑で逮捕。
宮崎容疑者は、母親とは同居しておらず、市内の自宅から介護のために通っていた。警察によると、宮崎容疑者自らが「お母さんの首を絞めて殺しました」と110番通報し、駆けつけた警察官が、布団の上で仰向けに倒れている母親を発見した。
警察の取り調べに対し、宮崎容疑者は「介護に行き詰った」と供述している。
2019年5月27日、千葉県鎌ヶ谷市の自宅で64歳父親の腹部を殴り死亡させたとして、桜庭賢二容疑者(38)を傷害致死の疑いで逮捕。
桜庭容疑者は、当初救急隊らに「父親が階段から落ちた」などと虚偽の説明をしていたが、司法解剖の結果、腹部を殴ったことによる出血性ショックで死亡したことが分かった。
警察の取り調べに対し「父の介護にストレスを感じていたためやってしまった」「着替えに手間取っていたので殴った」などと供述し、容疑を認めている。
2019年5月29日午前、石川県七尾市の実家の浴室で、74歳妻の首をカッターナイフで切り、殺害したとして、長岩光男容疑者(76)を殺人容疑で逮捕。
警察は、長岩容疑者の実家を捜索したところ、風呂場でうつ伏せに倒れている妻の遺体を発見しました。
取り調べに対し、長岩容疑者は「妻の介護に疲れた。2人で死のうと思って死に場所を探していた」と供述。警察は、介護疲れが原因で妻を殺害したとみて調べている。