近年、介護をする立場である介護士による殺人事件が後を絶ちません。殺人を犯した動機で多いのが「イライラしていた」「介護を拒否されてムカついた」などといった身勝手な考えで高齢者を殺害しています。
もちろん、介護士も仏様ではないので、イラつくことはあります。ですが、介護という世界に入ったのならば、そういった感情を上手く制御していかなければなりません。ここでの記事では、介護施設で介護士が起こした殺人事件5選を紹介していきたいと思います。
2019年1月24日、神奈川県横須賀市の老人ホームに入所していた89歳の女性を殺害したとして、警察は同月29日に、殺人容疑で介護福祉士・田村真樹容疑者(31)を逮捕しました。
逮捕容疑は、1月24日朝、女性の自室で首を圧迫する暴行を加え、窒息させて殺害した疑いが持たれています。
さらに、田村容疑者は【2018年12月21日~19年1月19日】の間に、女性の口座から9回にわたり現金を引き出した(総額約125万円)として窃盗の罪でも逮捕されています。
殺害される前日の1月23日に、女性は通帳に見覚えのない出金履歴を確認したことから別の施設職員を通じて県警に相談していました。しかし、24日朝、女性が朝食をとりに食堂に来なかった事を不審に思った職員が、女性の部屋に様子を見に行ったところ、女性が心肺停止の状態で発見されました。
2019年5月22日、東京・品川区にある有料老人ホーム【サニーライフ北品川】で、82歳の入所者の男性が暴行を加えられ殺害されました。警察は、殺人容疑で元介護職員・根本智紀容疑者(28)を逮捕しました。
根本容疑者は、部屋の外に出ようとした男性の足を持ち、室内を引きずり自室に戻していた様子が防犯カメラに映っていました。警察は、殺害の犯行は男性の自室内で行われた可能性があるとみています。
司法解剖の結果、男性の死因は肋骨(5本以上)折れ、内臓破裂による出血性ショックだったことが判明。男性が受けた衝撃は、3階の建物から転落した際に加わる力と同程度でした。男性は、死亡前に遺族に「若い男に蹴られた」と話していたということです。
2017年5月、奈良県上牧町の介護保険施設【こころ上牧】に入所していた当時97歳の女性の首を絞め殺害したとして、警察は元介護士・田島茂容疑者(56)を殺人容疑で逮捕しました。
事件当日、田島容疑者は、女性の居室があった4階の夜勤を担当しており、事件の第一発見者は田島容疑者でした。田島容疑者は、取り調べに対し「身に覚えがありません」と容疑を否認しています。
2014年11月から12月にかけて、神奈川県川崎市にある介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人を相次いでベランダから転落させ殺害したとして、元施設職員・今井隼人容疑者(25)が逮捕されました。
2018年3月22日、横浜地裁は無罪を主張していた今井隼人被告に【死刑判決】を言い渡しています。
渡辺裁判長は「自白の信用性を待つまでもなく、その嫌疑が高度だ」と述べた上で「人間性の欠片も伺われない犯行。更生の出発点にも立っていない」などと痛烈に批判しています。
尚、殺人事件があった介護施設では、事件後、防犯カメラを増設し、施設内の見回りを強化。さらに、再発防止の観点からプロジェクトチームを立ち上げ、施設管理者などには、入所者への虐待を防ぐための研修を定期的に受講させるといった対策が施されているということです。
2017年8月15日、岐阜県高山市にある介護老人保健施設【それいゆ】で、入所者を暴行したとして、元介護職員の小鳥剛容疑者(33)を逮捕しました。
事件があった施設では【2017年7月31日~8月中旬】にかけて、入所者男女5人が骨が折れるなどのケガが相次ぎ、うち3人が死亡しています。
小鳥容疑者は、いずれの入所者の介護にも関わっており、被害に遭った女性4人は、いずれも認知症専門棟2階の別々の4人部屋に入所していました。
警察は、小鳥容疑者が他の職員から目の届かない場所で、暴行を加えていたとみており、現在も捜査が続いています。