老後に住みたい街ランキング 三大都市圏

突然ですが、皆さんは老後はどこで暮らしたいと考えていますか?私は元々雪国育ちなので、老後は暖かい地域で暮らしたいと思っています。老後を迎える頃には仕事は退職しており、子育ても終わって、やっと自分の時間が訪れていることでしょう。もちろん、資金面の制約はあるとは思いますが、そこを除けば基本的には何にも縛られず好きなところに住めるはずです。では、多くの人たちは老後はどこの街に住みたいと考えているのでしょうか。ここでは、老後に住みたい街を調査した媒体等を活用して、皆さんには老後に住みたい街を首都圏・近畿圏・中部圏ごとにランキング形式にしてお伝えしたいと思います。

定年後に住みたい街(駅)ランキング

私も引越しをするために賃貸物件を探したことがありますが、探すに至って考えるのが【条件】だと思います。学校、職場に通いやすい場所、スーパーが近くにある場所など皆さんが重要視するポイントはそれぞれです。では、老後だとどうでしょう?恐らく、現役世代よりかは条件が緩和しやすくなるのではないでしょうか。ここでは、LIFULL HOME’Sが【首都圏・近畿圏・中部圏】にそれぞれ住んでいる人に「定年後に住みたい街(駅)」を尋ねた結果をここではお伝えしたいと思います。

※LIFULL HOME’Sの調査概要:インターネット調査。調査期間:2017年12月1日(金)~2017年12月5日(火)。調査対象者:各エリアの居住者を対象。有効回答数:首都圏(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県):1000票。近畿圏(大阪府/兵庫県/京都府):1000票。中部圏(愛知県/岐阜県/三重県):1000票、計3000票

首都圏ランキング

首都圏のランキングを見てみると、老後でなくても住みたい街ランキングの上位にくる街(駅)ばかりです。また、東京都に関しては全ての街(駅)が23区外に位置しているのが印象的です。これは私の主観的感想ですが、23区内は23区外よりも住宅が密集且つ、家が狭く人も多いため、そういう点が老後の生活には好まれないのかもしれません。

首都圏では、鎌倉が堂々の1位となりましたが、鎌倉駅から東京駅まで電車で約1時間ほどの距離、横浜駅でしたら約35分くらいで行ける距離にあります。

この中で、私は4位の八王子市に2年ほど住んでいたことがありますが、その印象としては【自然が豊かで大きい公園がいくつもある】【大きい病院が多い(総合病院:東京医科大学八王子医療センター・東海大学医学部付属八王子病院・南多摩病院など)】、【都市部へは電車で50分で行き来できる距離】【八王子駅から羽田空港まで電車で1時間半くらいで行ける】といった感じで、地方と都会がミックスされた街なのが印象的です。6位の立川も八王子とはほぼ隣町(部分的に日野市や昭島市挟む)ですので似たような条件が揃っています。

ちなみに、このランキングでは千葉県が1つ、埼玉県が1つもランクインがされていませんが、18位に船橋(千葉県)、19位に川越(埼玉県)となっています。

近畿圏ランキング

こちらも首都圏と同じで、若者にも好まれる街となっており、利便性が良く、商業施設が多い街が上位を占めています。

特に京都が選ばれる理由としては、駅周辺に大型商業施設が多く、必要なものがすぐに手に入る点。新幹線・JR・地下鉄・バス停などが多いためどこに行くにも不便を感じない点が挙げられています。また、京都と言えば古都の歴史を感じることができるため、そうした風情のある場所で余生を送りたいといった意見があるようです。

京都駅から大阪駅までは、電車で約30分ほどで行ける距離にあります。大都市に気分転換で行きたい際は、比較的最適な位置にあるのではないでしょうか。

中部圏ランキング

中部圏といえば名古屋駅。名古屋駅周辺に住めば在来線に乗らず、直ぐに新幹線に乗れるのが強みです。老後の生活に旅行を考えている人であれば、全国の主要都市に概ね行けるため、旅行好きの方にはうってつけです。また、名古屋駅は東京と大阪の中間地点に位置しているため、気軽に東の大都市、西の大都市に比較的素早く行くことができるのが魅力的の1つでもあります。

名古屋市については、災害・人口構造の変化などに対応するべく都心部などを中心に住居や商業施設などを集約させる【なごや集約連携型まちづくりプラン
】という計画があります。そのため、老後に中部圏で住むことを考えている人には名古屋駅も選択肢に入れても良いのかもしれません。

ちなみにですが、6位の栄駅は名古屋市を代表する商業エリアで、そこから電車で2駅のところに名古屋の随一の高級住宅街【白壁地区】があります。白壁地区は江戸時代から続く街で、道路の両側には白壁や武家の門構え、大正時代の建造物などがあり、日本の歴史を感じることができます。

栄駅から名古屋駅まではおよそ5分ほどで行ける距離にあります。便利な市街地近郊でありながら、歴史や文化の薫る街に住むのも良いのかもしれません。

老後の生活に重要なポイント

首都圏、近畿圏、中部圏について老後に住みたい街のランキングをお伝えしました。ただ、注意してもらいたいのは【人気がある=住んでよかった】とは限りません。これはあくまで老後に『住みたい』ランキングであって、『住むべき』ランキングではありません。

まず、高齢者にとって医療・福祉(介護)サービスが充実していることが重要になります。これは何をとっても優先させるべきです。

私は以前ケアマネージャーとして在宅で暮らす高齢者をサポートしていましたが、急に病気になったり、思わぬところでケガしてしまった高齢者を多くみてきました。そんな時に、病院に電車やバスを乗り継いで行かなければならない場所にあると大変です。

介護保険で介護タクシーを使うことはできますが、調子が悪い状態で長時間の乗車は体に負担をかけます。私が以前担当していた利用者が腰を骨折し、通院する際に介護タクシーを依頼しましたが、骨折の影響で長時間座ってられない上に、ちょっとの揺れでも体に響くため通院の度に大変な思いをしていました。その方は、通院の度に苦笑いで「また、拷問の時間が始まる」と私に言っていました。(笑)

街によっては病院の数は異なります。病院の数が少なければ「ここの病院は合わないわ」「主治医とは合わないわ」「本当にこの診断でいいの?」などといったことがあっても気軽にセカンド・サードオピニオンができません。さらに言えば、重篤な病気になった場合、近くに大きな病院がなければ退院後、自宅から月に何度か経過観察のために通わなければなりません。1人で行くことができないのであれば、その都度介助員を頼むことになり、余計な出費も増えます(遠くなればなるほど時間がかかり、介助員の拘束費が増えるからです)。

こうしたことからも、医療・福祉サービスが充実している街が老後の生活には適していると考えます。

医療・福祉(介護)が充実している街

ここでは、日本経済新聞発行の日経グローカルが実施した調査結果を基に、医療・福祉が充実している街を紹介したいと思います。

~評価する基準~
① 医療・介護連携の取り組み
② 地域ケア会議の開催状況
③ 高齢者1000人あたりの特別養護老人ホームの定員数
④ 高齢者1000人あたりの介護老人保健施設の定員数
⑤ 『定期巡回・臨時対応型訪問介護看護サービス』の指定事業所の有無
⑥ 高齢者1000人あたりの地域包括支援センターの職員数
⑦ 市区域で働いている、高齢者1000人あたりの介護職員数
⑧ 市区域で働いている、高齢者1000人あたりの介護支援専門員(ケアマネジャー)の人数
⑨ 高齢者数の増減率と比較した要介護・要支援認定者数の増減率(11年3月と14年3月を比較)
⑩ 高齢者1000人あたりの健康診査(特定健診)受診者数
⑪ 高齢者1000人あたりのがん検診(少なくとも1種類)受診者数
⑫ 高齢者1000人あたりのインフルエンザ予防接種者数
※調査期間:全国の790市と東京23区の計813市区を対象にした。調査期間は2014年12月11日から15年1月27日。94.3%にあたる767市区から有効回答有り。

この基準の中で、特に重要なのが【③、④、⑤、⑦】と思っています。もちろん、どれも重要なのですが、まず③,④は自分が介護状態になった際に介護施設の定員数が少ないと入所できる確率が下がります。老後に住みたい街として考えているということは、家族の助けがなくても生きていくという気持ちが、ある程度あって移っている人もいるはずです。もし、介護が必要になった場合、あなたを受け入れてくれる施設がなければ、結局は家族が大変な思いをします。

次に⑤ですが、定期巡回・臨時対応型訪問介護看護サービス(以下、定期巡回)というのは、ザックリ言えば、定額制の訪問介護・看護サービスが受けられる介護保険サービスのことです。

通常の訪問介護・看護サービスは1回ごとの利用で料金が発生しますが、定期巡回は定額制なのでかかりません。極端な例を出すと、1時間ごとにオムツ交換が必要な方でもケアプランをしっかり組めば、一時間ごとに介護士が来ても一定額以上のお金はかかりません。なので、在宅で生涯を終えたいと考えている人にはうってつけのサービスとなっています。加えて、⑦ですが介護職員が多ければ多いほど③、④、⑤が充実するのは言うまでもありません。

商店が多い場所

医療・福祉サービスの次に重要となるのが商業施設が充実している点です。いわゆる、スーパーです。よく高齢者の方で「大変だ」という声が聞かれるのは【買い物】です。

食料品や日用品が気楽に買えない環境は必ず苦労します。「ここが素敵だから老後はここに住もう!」と思い住んだ時は、体力もあって体はバリバリ動く時だと思います。では、移り住んでからその体力はいつまで続くでしょうか。ピンピンコロリは今の時代ほとんどあり得ません。

見晴らしが良いところに住んではみたものの「買い物をした後に運んで帰るのが大変」「スーパーが遠くてバスを乗らないと行けない」などといった高齢者はたくさんいます。「配送サービスくらいやっているでしょ?」と思う方もいると思いますが、全てのスーパーがやっているとは限りません。

ちなみに、訪問介護でも買い物代行はしてくれますが、自宅から遠ければ遠いほど時間がかかるのでその分の時間料金はかかり、保険適用の限度額も余分に使います。今は良くても将来のことを考えて住む場所を決めてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここでは、老後に住みたい街(駅)ランキングを紹介しました。恐らくですが、イメージや憧れなどが入っている可能性はあります。住めば都と昔から言いますが、それは体が動くうちだと私は思っています(移住者の場合)。

住み慣れた地域から離れるということは、近くに親族・友人がいない場所にいく訳ですので、もし、介護が必要になった際は自分たちで何とかすると想定して行かなければなりません。そして、そういった状況に陥った時に重要になるのが医療・福祉サービスが充実している街です。老後は【観光】の延長線上で住むのではなく【終の棲家】として選ぶことが重要になります

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