今、ディサービスといった介護施設では、認知症予防体操、転倒防止体操といった○○体操がよく取り入れられています。いずれも、脳と体を一緒に動かす(使う)体操のため、筋力の維持向上と脳の活性化を目的に、介護施設では頻繁に行われています。また、介護施設が行っている体操は【辛い・大変】といったものではなく、楽しみながら簡単に出来る体操ばかりです。ここでの記事では、自宅でもできる簡単に楽しみながら行う脳トレ・体操3選を紹介します。
目次
体操の紹介をする前に、認知症の種類について簡単に説明したいと思います。まず、認知症には4大認知症と呼ばれる【アルツハイマー型認知症】【脳血管性認知症】【レビー小体型認知症】【前頭側頭型認知症(ピック病)】があります。
また、その中で認知症にかかる約60%の人がアルツハイマー型認知症と言われており、女性に多いと言われている認知症です。
恐らく一度は聞いたことがあると思うアルツハイマー型認知症の症状といえば、「物忘れが激しい」「徘徊をする」「自宅に居るのに帰宅願望」といった症状が顕著に現れるのがアルツハイマー型認知症の特徴です。
大きく分けて、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症を発症する原因は違います。
まず、脳血管性認知症は【脳卒中:脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など】の脳血管障害によって併発する認知症が脳血管性認知症です。
それとは違い【三大認知症:アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症】は、脳内にタンパク質の一種のゴミ(老廃物)が蓄積することにより、脳機能が低下し発症すると言われています。さらに、これらの影響で記憶を司る海馬が萎縮し、脳全体が萎縮していきます。
そして、WHOでも提唱されていますが、認知症の発症は不規則な生活をしていることが原因とされています。例えば【運動不足】【睡眠不足】【低栄養】【意欲の低下(社会からの孤立により)】といったことが脳に悪影響を及ぼします。
上述で話した三大認知症は、脳内に蓄積した老廃物です。この老廃物は、年齢とともに蓄積していくので、定期的に排出しなければなりません。そして、脳血管性認知症に至っては、運動不足が原因の1つともされているため、それらの認知症予防の方法が体操です。
体操と言っても、ただ体を動かせばいいという訳でなく、頭と体を同時に動かす(使う)【マルチタスク】を取り入れた体操が有効です。マルチタスクを取り入れた体操を行うと、前頭前野が活発になります。前頭前野は、私たちが生活していく上で最も重要な部分でもあり、頭の回転が速い人は前頭前野が発達していると言われています。
そして、頭で考えながら体を動かすことは、脳を含めた全身の血流が良くなるので、三大認知症で言えば脳神経細胞に悪影響を及ぼしていた老廃物が流れて脳が洗浄され、脳血管性認知症で言えば、運動不足の解消にもなるため脳卒中の予防にもなります。
これらを踏まえて、次はマルチタスクを取り入れた体操について紹介したいと思います。
グーパー体操のやり方は、【①:前に出した手がパー】【②:胸につけた手はグー】。これを交互にやっていくだけの体操です。動きの参考は、下記の動画をご覧ください。
慣れてきたらグー、パーの他に、チョキやキツネ、手拍子、足踏みなどのアレンジを加えて、難易度を上げてやるのも良いでしょう。
ピストルと的体操のやり方ですが、誰かに「バンッ」と言ってもらいます。「バンッ」の合図に合わせて、片方の手を【ピストル】の形にし、もう片方の手を【的(👌)】にします。その状態で「バンッ」と言われたら、手の形を入れ替えます。また「バンッ」と言われたら、手の形を入れ替えて繰り返していく体操となります。動きの参考は、下記の動画をご覧ください。
手拍子と足踏み体操のやり方は【レベル1:20まで声を出しながら足踏みを行う】。【レベル2:1~20までを足踏みしながら数え、その中で4の倍数(4・8・12・16・20)になったら手拍子を行う】【レベル3:①と②にプラスして自分の好きな倍数を追加してやっていく】。レベル1~3ありますが、自分の体に合うレベルを選択して行うと良いでしょう。動きの参考は、下記の動画をご覧ください。
いかがでしたでしょうか。
認知症の原因については、記事内で触れている通りです。基本的には、規則正しい生活を送送ることで認知症になるリスクは減少します。ここでは体操(運動)を通して、認知症対策の方法について紹介しました。体操はただ体を動かすのではなく、脳を使いながら体を動かす【マルチタスク】を意識した体操が認知症対策に効果的です。ここでの記事を参考に、認知症対策として日々の生活に取り入れてみてはどうでしょうか。