昨今、高齢ドライバーが交通事故を起こすと瞬く間にクローズアップされ、高齢ドライバーに対する世間の目が厳しい現状にあります。
事故率についても、やはり85歳以上が全年代のトップとなっています。しかし、高齢ドライバーだから事故を起こしやすいという訳ではなく、75歳がボーダーラインとなり【未満】と【以上】とでは事故率が約2~3倍近く変わっています。
ボーダーラインである75歳以上の高齢ドライバーになると、操作不適による事故が多くなり、その中でもアクセルとブレーキの踏み間違えでは75歳未満は全体0.8%に対し、75歳以上は6.2%と高い水準であることが警視庁のデータで分かっています。
ここでの記事では、ボーダーラインがある70代の高齢ドライバーが起こした重大事故について紹介したいと思います。※当時のニュースを使用。
目次
2019年9月28日午後、愛知県豊田市で70歳女が運転する車が横断歩道を歩いて渡っていた5歳の男の子をはねました。警察は、豊田市上原町の無職・山本順子容疑者(70)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。
この事故で、5歳の男の子は病院に搬送されましたが、頭を打つなどして意識不明の重体です。警察よりますと、事故現場は見通しの良い直線道路で、男の子が横断歩道を渡った先の公園に向かっていた最中にはねられたということです。
2019年9月1日午後4時すぎ、東京都、稲城市大丸の都道の信号交差点付近で車5台が絡む多重事故が起きました。警察によりますと、70代男性が運転するタクシーが前にいたキャンピングカーに追突した後、別の車3台に相次いで追突したということです。
この事故で、タクシー運転手の70代男性が意識不明の重体。タクシーの乗客や別の車を運転していた人などが首や腰などに痛みがあるということです。
2019年8月18日午後2時すぎ、群馬県桐生市のスーパー【ヤオコー桐生相生店】の駐車場で、70代男性が運転する軽乗用車がバックした際にポールにぶつかった後、急発進して前に止まっていた無人の車3台に衝突する事故がありました。
この事故で、軽乗用車に同乗者していた60代の女性が重傷を負いドクターヘリで搬送され、70代女性が骨盤の一部を骨折、事故を起こした70代男性は左肩を打撲する軽傷を負いました。
2019年8月18日午後2時半ごろ、東京都のJR池袋駅前で70代男性が運転するタクシーがガードレールに突っ込む事故がありました。この事故で、タクシー運転手は死亡しました。
警察によりますと、駅前にあるタクシー乗り場で乗客2人を乗せ発車後間もなくしてガードレールに突っ込んだということです。
この事故で、70代のタクシー運転手は意識不明の重体で病院に搬送されましたが、その後死亡が確認されました。乗客2人にケガはありませんでした。
警察は、何らかの理由でタクシー運転手は意識を消失して、事故を起こした可能性があるとみて事故状況など詳しく調べています。
2018年7月25日夕方、71歳男が運転する車が横浜横須賀道路下り線の【浦賀IC~横須賀IC】付近までの約10キロ区間を逆走し、対向車5台に衝突する事故を起こしました。この事故で、6人が重軽傷を負いました。神奈川県警は2019年7月16日、危険運転致傷の疑いで、横須賀市の無職の男(71)を書類送検しました。
警察の取り調べに対し、男は「逆走していることに気がついていた」などと話していたため、県警は逆走を認識して走行していたことは、過失傷害より法定刑が重いと判断し、危険運転致傷を適用しました。
2019年7月24日午後4時ごろ、東京・池袋で73歳男性が運転する車が暴走し、信号機をなぎ倒して歩道に乗り上げました。
警察によりますと、男性は近くで一時停止違反をしたため、警察官に呼び止められ安全な場所に誘導されている途中、赤信号にも関わらず進もうとするため「赤だから止まれ」と警察官に注意され一旦停止しするも、信号が青に変わった瞬間に男性はアクセルを踏み、交差点にある信号機に衝突しました。衝突後、男性は再度アクセルを踏んで信号機を押すような形でタイヤを空転させ、警察官がエンジンを切るように指示し、ようやく停止したということです。
警察は、道路交通法違反の疑いも視野に捜査をしています。
2019年9月20日午前11時40分ごろ、兵庫県尼崎市内の交差点で無免許で車を運転し、禁止されている道路を右折した疑いで、建設業の74歳の男が現行犯逮捕されました。
警察によりますと、パトロール中の警察官が、74歳の男の車が右折禁止の場所で右折したため停止させ、免許証の提示を求めたところ無免許だったことが分かり、現行犯逮捕したということです。
警察の取り調べに対し、男は「一度も免許を取ったことがない」と話しているということです。
2019年9月14日午後9時半ごろ、愛知県名古屋市熱田区の金山総合駅南口のロータリーで、75歳男が運転するタクシーが急加速し縁石に乗り上げて歩道に突っ込みました。この事故で、20代から60代までの男女7人が重軽傷を負いましたが、いずれも命には別条はありませんでした。
警察は、事故を起こしたタクシー運転手・小森勝弘容疑者(75)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。
事故を目撃した人によりますと、タクシーは歩道に突っ込んで人をはねた後、さらにバックして複数の人をはねたということです。警察の取り調べに対し、小森容疑者は「当時の事故は覚えていない」と話しています。
2019年10月3日午前、岐阜県岐阜市北一色の国道156号の交差点で、自転車で横断歩道を渡っていた女子高生をはね、ケガをさせたにもかかわらず、救護処置をせすにそのまま逃走したとして、岐阜県関市の無職・奥田美成容疑者(76)をひき逃げなどの疑いで逮捕しました。
警察によりますと、はねられた女子高生の同級生が奥田容疑者の車のナンバーの一部を覚えたことなどから逮捕に至ったということです。
奥田容疑者は、取り調べに対し「事故したことが怖くなって逃げた」などと話し、容疑を認めているということです。
2019年2月18日、三重県津市【ローソン津白塚店】で当て逃げ事件が発生。翌日にCBCのテレビ番組で当て逃げ事件を放送したところ、放送の20分後に78歳男性が警察署に名乗り出てきました。
警察によりますと、防犯カメラには駐車場で1台の黒い車がバックで急発進し、隣の軽乗用車に衝突し、フェンスをなぎ倒して車が転落。転落後、車はその場から立ち去りました。その様子をテレビで放送すると、男は「私が運転した車かもしれない」と警察署に名乗り出てきたということです。
警察の取り調べに対し、男性は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」「事故を起こしたことは覚えているが、瞬間的に気を失い、車やフェンスを壊していたのには気づかなかった」などと話している。
また、男性は軽乗用車とフェンスの修理代は全額自己負担し、免許の自主返納を検討しているということです。