高齢者の介護に従事している方、もしくは家族の方であれば尿路感染症(にょうろかんせん)という言葉を一度は聞いたことがあると思います。私がまだ介護施設で働き始めた頃「尿路は無菌状態なのになんで感染するの?」と疑問に思っていました。しかし、勉強をするうちに、高齢者の特有の体質が感染率を上げ、重篤化すると敗血症などになる恐ろしい感染症だと知りました。
ここでの記事では、尿路感染症についてイマイチ分からない人に向けて原因や症状など要点を絞ってお伝えしたいと思います。
尿路感染症とは、【尿路】=【腎臓➡尿管➡膀胱➡尿道➡尿道口(排泄)】に細菌が入ったことで感染し、炎症が起きたことを指します。
画像引用:日本泌尿器学会
尿路感染症の多くは、細菌が外尿道口から尿道を逆行して感染し炎症を起こしたことを指します。いわゆる【上行性感染】です。※上行性:上に向かって進む性質のこと。
特に女性の場合は、尿道が短いため尿路感染症にかかりやすく、性器の構造上、細菌が侵入しやすいのが特徴です。また、オムツに排泄している方だとさらに感染率が上がります。
尿路感染症は、細菌が入り炎症を起こした場所によって症状が異なりますので、それを次で紹介したいと思います。
腎盂腎炎(じんうじんえん)とは、腎盂および腎臓に細菌が入り、炎症を起こした病気のことを指します。さらにそこから【急性】と【慢性】に分かれています。
まず、急性腎盂腎炎には【単純性】と【複雑性】の2種類があります。単純性は、尿が膀胱から尿管へと逆流することで引き起こされる上行性感染症が原因とされています。単純性腎盂腎炎の原因菌の約70~90%が大腸菌と言われています。
複雑性は、原因菌がいくつかあり、例えば「大腸菌・緑膿菌・ブドウ球菌」などといった何らかの細菌よって感染する病気です。
慢性腎盂腎炎は、持続的な炎症により腎の萎縮や組織の破壊が見られることが多いのが特徴です。また、慢性の場合は複雑性の尿路感染症が多く、基礎疾患(尿路結石・水腎症・神経因性膀胱など)から来る場合があります。
● 慢性腎盂腎炎の症状
・活動期の症状は急性とほぼ同じです。非活動期は、微熱や残尿感、全身のだるさなどがあります。
人の体には免疫があるため、健康の人はほとんど感染しません。ただ、高齢者のように免疫力が落ちていると細菌に負け膀胱炎を発症します。
膀胱炎の原因は、膀胱に細菌が入り、炎症を起こすことで症状が現れます。急性の場合だと【排尿時の痛みや残尿感、頻尿、膿が混じった尿、時には血尿】が出る場合があります。慢性の場合は、急性の症状が軽いバージョンか、自覚症状に乏しい場合があります。
膀胱内に入った細菌は、短い時間で増殖するため感染すれば1~2日ほどで症状が現れます。
尿道炎とは、淋菌が原因でなる炎症とその他の細菌でなる炎症がありますが、基本的には性行為によって起こることが多い感染症です。
淋菌性の場合だと、急性時は排泄時に尿道付近に激痛が走り、膿が出る場合があります。慢性時は、自覚症状が現れない場合があります。しかし、放置すると尿道狭窄(尿道が狭くなる)を引き起こします。非淋菌性は、尿に膿が混じり、尿道や陰部の不快感などが現れます。
高齢者は免疫力が低下しがちなため尿路感染症になりやすく、且つ再発を繰り返しやすいのが特徴です。特に女性でオムツに排泄している人であれば、不衛生なものが常に尿道口に付いているので、細菌が逆流しやすいため注意が必要です。
尿路感染症にかからないためには、しっかりとした予防策を講じる必要があります。それが下記のとおりです。
これは私の経験上ですが、【オムツをしている・寝たきり】の女性が圧倒的に尿路感染症になっていた記憶があります。
少しでも感染リスクを抑える意味でも、排泄後にはぜひ使っていただきたいものがあります。それがコチラです。
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これらは私が介護施設で実際に使用していたものです。オムツをしている人の陰部は排泄でとても汚れます。お尻拭きだけだと拭き残しがあったり、しっかりと除菌が出来ていないことが多々あります。
上記の商品は、お湯の中に洗浄液を入れて陰部を洗うことで、お湯の力と洗浄液の力で拭き残しを防ぐことができ、且つ除菌もできます。また、保湿効果もあるため乾燥しやすい人にはとてもオススメです。
お尻拭きなどで陰部を拭いている方は、ぜひこちらをお試してみて下さい。
いかがでしたでしょうか。
尿路感染症の原因は、細菌が外尿道口から尿道を逆行したことで起こります。特に女性は尿道が短いため感染率が高く、オムツを常に装着している方ならさらに高まります。
そうしたことを避けるために、常に陰部を清潔な状態にし、細菌に負けないよう抵抗力を落とさないことが重要です。もし、本記事で紹介した尿路感染症の症状などが現れた際は迷わず病院を受診してください。