冬の事故、ヒートショックの原因と対策とは

今年もいよいよ残すところ、1ヶ月余りとなりました。それに伴い寒い時期でもをあるため、「温」が恋しくなる季節でもあります。体を温めるといえば、やっぱり「お風呂」。普段はシャワー派の人も、冬になるとお風呂に入るという方は、多いのではないでしょうか。

しかし、温かくリラックスの出来るお風呂も、一つ間違えると大変な事故に繋がることを皆さんはご存知でしょうか。その事故の原因は「ヒートショック」による関連死です。ヒートショックというのは、交通事故よりも多い事故ともいわれており、特に気温の寒暖差が激しい冬の時期に多発します。

ここでの記事では、今の時期から多発ヒートショックの原因と、その対策についてお伝えしたいと思います。

ヒートショックの原因とは

ヒートショックを引き起こす原因は、屋内屋外問わず気温の寒暖差です。そのため、暖かい屋内から屋外へ出るとき、暖かい部屋から寒い部屋に移動するときなどで、ヒートショックを引き起こしてしまいます。

屋内でも安心はできない

寒い冬の時期は、ほとんどの家(屋内)が暖房を入れていると思います。しかし、いくら家でも全部屋に暖房を入れているお宅は少ないはずです。

その中でも、比較的暖房がついていない場所が「浴室」や「トイレ」、「廊下」が多いとされています。

こういった寒い場所と暖かい場所とでの気温差は「10℃」以上あるといわれています。これから後述しますが、気温差があればあるほど体に大きな負担を与えてしまうので、注意が必要です。

体の防御反応が過剰になる

私たちの体は、暖かい場所から寒い場所へ移動すると、急激な気温の変化に耐えようとするために体を震えさせ、熱を作ろうと寒さから守ります。さらに、血管を細くして血液量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節も行います。

しかし、この行為は血管を縮めるため血流が悪くなり、血圧を急上昇をさせてしまいます。
※(心臓に血液を送らなければならないのは変わらないため、血流が悪くなると、いつも以上に強い力で送らなければならない。その行為が「血圧の上昇」に繋がる。)

また、暖かい場所から寒い場所へ移動した際は、血管が急激に拡張し、血液を一気に放出させるため、血圧が急激に下がります。こういった反応が体に負荷がかかり、ヒートショックを引き起こしてしまう要因となります。

さらに、高齢者で「高血圧・糖尿病・脂質異常症」などといった持病がある方は、動脈硬化が進んでいる恐れがあるため、血圧の乱高下に耐えられない可能性がありますので、要注意です。

血圧の急上昇と急降下をすると起こる病気

上述で説明したように、暖かい場所から寒い場所へ(逆も同じ)移動すると、体に大きな負担がかかります。では、血圧が急に変化するとどのようなことが引き起こされるのか、下記にまとめましたので、ご覧ください。

● 血圧の急上昇
・心筋梗塞
・心不全
・脳卒中
・解離性動脈瘤(大動脈解離)

● 血圧の急降下
・めまい
・ふらつき
・意識消失
からなる「転倒」や「溺死」。

ヒートショックを起こしやすい人の特徴

ヒートショックを引き起こす原因の中でも、「入浴時」が一番多いとされています。入浴にあたってヒートショックを引き起こしやすい人の特徴について、お伝えしたいと思います。

ヒートショック発生の原因
● 発生する場所 ・トイレ、脱衣所、浴室(暖房設備がない場所)
・浴室がタイル張り
・窓のある浴室
・暖かい場所と寒い場所との距離がある
●リスクがある年齢 ・ 65歳以上の高齢者
※75歳以上は特に危険
● 病歴がある方 ・心筋梗塞
・狭心症
・脳梗塞
・脳出血
● 持病がある方 ・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・不整脈
● 誘発をする恐れのある習慣 ・飲酒直後に入浴をする
・服薬後に入浴をする
・食後に入浴をする
・41℃以上のお湯に、長時間つかる
・41℃以上のお湯に、肩までつかる
・夜に入浴をする
・1番風呂(2番風呂以降でも、間が空いていたり、換気をされていたら危険)

入浴中の事故死件数について

厚生労働省が実施した人口動態統計で、家庭の浴槽での溺死者数が平成26年で「4,866人」、平成16年と比較すると「約1.7倍」に増えていたことが分かりました。このうち約9割が65歳以上の高齢者で、その中でも特に「75歳以上の高齢者」が浴槽での溺死が増えています。

特に入浴中の死亡事故は、冬季が一番多いことが統計でも明らかになっており、多発の原因は、気温の寒暖差です。また、入浴中の死亡事故のほとんどが、浴槽内で起きていることが分かっています。

次に、23区内での平成16年から平成25年までの、過去10年間の月当たりの平均入浴中の事故死を例にとって説明したいと思います。


引用元:http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160120kouhyou_2.pdf

12月から2月にかけて全体の5割が入浴時に死亡していることが分かります。その背景としては、気温の寒暖と日本固有の入浴習慣である「熱いお湯に肩まで浸かる」という入り方が影響していると考えられています。

ヒートショックへの対策とは

ヒートショックを引き起こす原因は、上述でもお伝えしているように、気温の寒暖差です。また、引き起こすタイミングは入浴の時が多いことから、入浴時になるべく気温差をなくすことが、ヒートショックを引き起こす原因の対策となります。

なるべく気温の高い昼に入浴する

気温が下がる夜に入るのは極力避け、比較的暖かい昼間に入るのをお勧めします。さらに、お湯が沸いてもすぐに浴室に入るのではなく、浴室をお湯の蒸気などで温めることで、浴室内が暖かくなるので、ヒートショックを防ぐことができます。

しかし、どんなに浴室を温めても、脱衣所が寒ければ意味がありません。そのため、脱衣所も効果的に温める必要があります。次に紹介するのは、脱衣所を温める道具について紹介したいと思います。

ヒートショックを防ぐ道具の紹介

こちらの商品は、壁掛けタイプのファンヒーターです。そのため、場所も取らないため、足場の確保がしやすいのが特徴です。また、消し忘れセンサーもついているため、万が一消し忘れても自動で運転を停止してくれます。

そして、取り付けについてですが、ドライバー1本あれば取り付けることができるため、大きな工事は必要ありません。

補足ですが、送風モードもついているため、夏場の暑い時期でも扇風機代わりになりますので、夏冬で使い分けることが出来ます。

上記で紹介したタイプよりさらに強力な風を送ってくれる壁掛けタイプのファンヒーターです。こちらは、温度設定が3段階あるため、状況に合わせて選択することが出来ます。また、最大1200wまであるので、暖かくなるのが早いです。

こちらの商品も、消し忘れ防止の機能がついているため、うっかり消し忘れても大丈夫です。そして、送風モードもついているため、夏場の暑い時期でも活用できます。

次は、アイリスオーヤマから出されている小型ファンヒーターです。こちらは置き型タイプですが、小型なので場所は取りません。また小型ながら最大800wの出力を出すことができるので、温かいです。

さらに、人感センサー、チャイルドロック、温度ヒューズ制御(温度が上がりすぎた場合、自動停止)などといった、安全に配慮した機能もしっかりと搭載されているのが特徴です。

置き型タイプのため、取り付け作業もいらず、値段もお手軽なので、お試し感覚で買うのも有りだと思います。

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