世界の高齢化問題 2050年6人に1人が高齢者に

2019年4月1日国連の報告書で、2050年の世界人口構成で約6人に1人が65歳以上の高齢者になることが分かりました。17年時点では、約11人に1人だったのに対し世界の高齢化が一気に進んだ形になります。

◇ 世界全体で「少子高齢化」に

4月1日、国連が「人口構成の変化が社会や経済に及ぼす影響」について研究する委員会を開き、世界人口構成の報告書を紹介しました。

報告書が示した推計では、世界の人口は2050年に98億人に達し、そのうち65歳以上の高齢者が15億人超と全体の16%を占めることが分かりました。また、17年に推計を報告した際には、世界の人口は76億人、高齢者が7億人と全体の9%に留まっていましたが、この約2年間で、世界の高齢者の人口が7%も上昇した形になります。

同日に記者会見で、担当責任者は「特に日本や韓国の高齢化と出生率の低下が著しい」と両国を挙げて指摘した上で、社会保障制度を揺るがす可能性があると警告しています。

● 2050年 国の地域別の高齢化率の推計値
・欧州・・・28%
・北米・・・23%
・アジア・・・18%
・アフリカ・・・6%

高齢化率が上昇する背景には、世界的に合計出生率の低下が指摘されています。特にアフリカや大洋州(オーストラリア、ニュージーランドなど)での低下が著しく、19年の世界の出生率は2.5%なのに対して、60年代では2.1%付近までに低下すると予測されています。

◇ 医療技術の進歩で平均寿命が延びる

国連では、2019年の世界の平均寿命が72.3歳から10年間で2歳延ばし、2030年には74.3歳にまで達すると予測しています。寿命が延びることで、さらに人口が増加し、2050年には98億人にまで達する見込みです(17年比で29%増)。内訳では、アフリカとアジアが中心に人口が増加し、反対に欧州は2030年から人口が減ってくると予測されています。