厚生労働省が14日に開かれた専門家会議で、特別養護老人ホームで転倒したなどの事故で死亡した高齢者が、昨年度で少なくとも1000人あまりに上ることが調査で分かりました。
◇ 施設の4割が事故報告の対象基準としていない
日本国内に特別養護老人ホームはおよそ1万か所あり、利用者に至っては60万人います。しかし、施設で起きた事故に関しては、市区町村への報告義務はありますが、国への報告に関しては求められていないのが実情です。
そのため、厚生労働省は14日に開かれた専門家会議で、事故の実態把握をするため初めて調査結果を公表しました。
調査結果によりますと、転倒や誤嚥などによる死亡事故を確認できた施設では772か所あり、そのうち死亡した高齢者は、1117人に上りました。
しかし、全国の市区町村のうちおよそ4割については、事故として報告を求める対象基準に定められてはいません。
こういったことから厚生労働省は「施設での事故を防ぐための取り組みとして、今回の調査結果を役立てたい」と話しています。