後期高齢者医療制度 収入が180億円黒字 17年度

2019年4月12日厚生労働省は、2017年度の後期高齢者医療制度の収支が180億円の黒字だったと発表しました。16年度と比較して44%が減少した形になります。

◇ 主因は、高齢化の進展で加入者増

180億円の黒字の背景には、高齢化が進み75歳以上の加入者が増え、医療費の給付費が増加したことにあります。また、収入面では企業の健康保険組合などが拠出する交付金の増加、つまり、現役世代の負担額が黒字の維持に繋がっています。

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者が加入する制度で、加入数は前年度より2.6%(1,721万人)増えました。保険給付費は、4.1%増の14兆8,363億円(5,788億円増)でした。これは、1人当たりの保険給付費は87万848円(1.0%)増えた形になります。

このような保険給付費は、公費や現役世代からの負担で賄う構造となっており、収入の一部である健保組合や協会けんぽなどからの交付金は6兆1,756億円(3.9%)増え、国庫支出金は4兆9,667億円(3.0%)の増加でした。ちなみに、加入者が負担する保険料は、1兆1,917億円で前年度と比較して5.5%の伸び率となっています。