健保連:赤字組合4割・高齢者医療負担が要因か

2018年9月25日、日本の大企業の社員などが加入する健康保険組合の全国組織、健康保険組合連合会(健保連)より、2017年度の決算見込みで、赤字となる組合が「580組合」だったことを発表。これは全体の41.6%に上り、前年度より「39組合」が増えたことになる。

現在の健保組合は、大企業の社員やその家族ら「約2960万人」が加入しており、全国に「1394」の組合がある。また健保組合は、社員と企業が負担する保険料で運営しており、加入者の医療費だけではなく、高齢者の医療費も負担している。

◇拠出金が「3兆5265億円」過去最大に

健保連によると、2017年度の拠出金は前年度より7.5%増の「3兆5265億円」と過去最大となった。また加入者より高齢者の医療費負担が上回る組合が「127組合」に増え「490組合」にも達した。そのため、財政難から解散をする組合が相次ぎ、2017年4~2018年4月までで、「12組合」が解散した。

さらに全国派遣労働者が加入する「人材派遣健康保険組合」も本年度末で解散を決めている。この組合は全国の派遣労働者ら約50万人加入している。健保連の佐野雅宏副会長は25日の記者会見で「現役世代の負担が重すぎであり、制度見直しの方向が見えないことが解散の背景にある。政府には早急に検討をしてもらいたい」と強調して訴えた。