介護施設【それいゆ】で高齢者5人死傷 起訴から1年経った今

2017年7月末~8月中旬にかけて、岐阜県高山市の介護老人保健施設【それいゆ】に入所していた高齢者5人が相次いで死傷した事件で、このうち高齢者2人にケガをさせ、死なせたとして元介護職員の小鳥剛被告(34)が高齢者1人への傷害容疑で逮捕・起訴されてから先月で1年が経過しました。しかし、県警によると、残る高齢者3人の死傷については捜査中だという。

被害者家族の悲痛な思い

小鳥被告は、2017年8月13日に死亡した【それいゆ】の入所者Nさん(当時87)に対する傷害致死の罪で昨年3月17日に追起訴されました。追起訴されたことを受け、Nさんの長男は当時「これで母親がなぜ死亡したかの理由が分かる」と期待していたと語っています。しかし、小鳥被告は公判で起訴内容を全面的に否認したことで、事件の全容が分からず長男は落胆。また、公判前整理手続きや裁判に向けた打ち合わせが岐阜地裁で続き、「岐阜でやっていることは、この遠い高山では何もわからない」ともどかしさを感じていました。

また、Nさんが死亡してから約2年半が経ち、周囲からは「裁判は終わったのか?」と聞かれるも「時間が経ち、様々な思いが薄れていく感じがする。だからこそ、死亡した理由を早く知りたい」。

立件の境界は司法解剖の有無

Nさんを含めて立件された2件の傷害容疑に共通する点は、司法解剖の記録が残っていたことです。一方で、立件に至っていない高齢者の1人、Iさん(当時93)については、死亡した当初、事件性が疑われず、検視や司法解剖が行われていなかったという。ただ、IさんにはCT画像が残されており、県警はこのCT画像からケガの状態を分析し、骨を実際に立体で再現し、他者から暴行を受けてできた骨折などのケガなのかを鑑定を行っています。

小鳥被告に接見する弁護士によると、小鳥被告は現在も一貫して事件への関与を否定しているということです。

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事件が起きた介護施設

岐阜県高山市桐生町4丁目268介護老人保健施設 それいゆ