2017年8月22日、東京都中野区の老人ホームで、当時83歳の入所者の男性を殺害した罪で起訴されていた元介護職員の男の裁判員裁判で、男は起訴内容を否認しました。
皆川久被告(27)は、東京都中野区白鷺の介護付き有料老人ホーム【ニチイホーム鷺ノ宮】に入所する藤沢皖さん(当時83)の顔をお湯を入れた浴槽につけるなどして殺害した罪に問われています。
2019年9月の初公判で、皆川被告は「殺害する目的はなく、被害者を浴槽に投げ入れて溺死させて殺害した事実はありません」と起訴内容を否認。検察側は、冒頭陳述で「介護に手間がかかったことで怒りを覚え、浴槽に投げ入れて溺れさせた」と指摘。それに対し、弁護側は「被害者は、被告が浴槽から離れていた間に溺れたもので、事故だった」と述べています。
事件当日は、皆川被告と別の男性職員2人が当直勤務をしており、皆川容疑者は藤沢さんが入所する3階を担当。当初、皆川被告は「入浴介助中にナースコールが鳴り、20分程目を離したら溺れていた」などと説明していたが、ナースコールの記録は残っていなかった。また、藤沢さんは病気のため体が不自由だった。
司法解剖の結果、死因は溺死。しかし、喉の骨や肋骨など複数個所を骨折し、第三者から暴行を受けた可能性があるとして、捜査1課が調べていた。皆川被告は、3階の居室内で首を絞めた後、1階の風呂場に連れて行き、浴槽に投げ入れてお湯を入れ、顔が浸かった状態で放置して殺害したとみられていた。
事件後、皆川被告は9月21日に自主退職している。
東京都中野区白鷺1丁目1−18:ニチイホーム鷺ノ宮