2019年6月現在までに、日本国内で起きた特殊詐欺事件で1回の被害総額が「億」に達した事件について、紹介したいと思います。
2018年11月、山形市内に住む60代の女性が訴訟を解決するなどの名目として、現金約1億円をだまし取られる詐欺被害に遭いました。
山形県警によりますと、女性は18年11月中旬に「訴訟最終告知のお知らせ」と書かれたハガキを受け取り、ハガキに記載されていた電話窓口に問い合わせたところ、弁護士を名乗る男の連絡先を紹介されました。
男は「訴訟の中身を見るには、まず裁判所に10万円を送る必要がある」「最終期日までに、弁済共済金として500万を支払えば、お金は戻ってくる」などと、繰り返し送金を女性に指示。
女性は、男の指示に従い12月18日までの間に、定期預金や生命保険を解約するなどして現金を用意し、ATMや指定された関東地方などのマンション宛てに現金を宅配便で計13回にわたり送金したということです。
また、男は女性に対し「第三者口外禁止制度がある。家族などにも相談するな」などと口止めをしていました。
岩手県に住む70代の男性が社債購入費を立て替える名目で、4億数千万円をだまし取られる詐欺事件が遭いました。
警察によりますと、2011年6月頃、70代男性に社債購入を斡旋する会社の社員を名乗る人物から「ある会社の社債を買いたい人がいるが、手元に資金がない。購入費用を立て替えてくれれば、後で謝礼を加えて返金する」という勧誘の電話がありました。
その後、社債に関するパンフレットが送られてきたため男性は信用し、2011年12月までに1回あたり数千万円を数十回にわたり振り込み、総額で4億数千万円を振り込みました。
振り込んだ後、説明通りの入金がなかったため、男性は警察に被害届を出し事件が発覚しました。
大阪府で会社を経営する80代の女性が「財産を守るため」などと男らに言われ、約5億7,000万円をだまし取られる詐欺事件がありました。大阪府警は、詐欺の容疑で、越智竜也容疑者(32)と栗原節男容疑者(45)を逮捕。
府警によりますと、16年1月、女性宅に証券会社の社員を名乗る男から代理で株式を購入し「あなた名義で製薬会社にお金を振り込んだ」という趣旨の電話がありました。
数日後、製薬会社の社員を名乗る男から「あなたは、名義を他人に貸しましたね。それは犯罪です」などの電話があり、さらに数日後、金融庁職員と称する男が「名義貸しが分かれば財産が没収される。管財人に預ければ財産は保護される」などと電話で話を持ち掛けてきました。
女性は話を信用し、男らの指示に従い、宅急便で16年2月から5月上旬までに20数回に分け、現金700万~4,000万円を段ボール箱に入れ、東京都など計10数か所の集合住宅の個人宛てに送ったということです。