千葉県柏市の特別養護老人ホームで、偽造した看護師の免許証のコピーを使い勤務していたとして、千葉県警は6日、ニセ看護師の男を保健師助産師看護師法違反(無資格者による診療補助行為)と偽造有印公文書行使の疑いで逮捕しました。
◇ 同僚が「医療知識が乏しい」と不審に思い発覚
逮捕されたのは、「下条 康司」容疑者(54)です。下条容疑者は、2018年4月、偽造した看護師の免許証のコピーを使い、千葉県柏市の特別養護老人ホームに勤務し、入所者の女性にインスリン注射や採血などを行った疑いが持たれています。
同僚の看護師が、下条容疑者の医療知識が乏しいことを不審に思い、派遣会社に問い合わせたところ発覚。下条容疑者は、看護師の免許証の提示を求められると姿をくらませたということです。
取り調べに対して、下条容疑者「看護師として働けば時給が高くなるのでやった」などと供述している一方で、「採血はしていない」と容疑を一部否認しています。
◇ 医師を装い医療行為をした疑いも
下条容疑者は、看護師を偽り関東の複数の福祉施設で勤務した疑いがあり、県警は、偽装が明るみに出ないよう職場を転々としていたとみています。また、千葉県のある福祉施設では、医師を装い縫合などの医療行為をした疑いもあるといい、県警は医師法違反容疑でも捜査する方針です。
下条容疑者は、過去に海外で看護師として働いた経験があると話しており、県警はその際に注射の技術などを習得した可能性があるとみています。