兵庫県淡路市で社会福祉法人「千鳥会」が運営する養護老人ホーム「北淡(ほくだん)荘」(入所定員168人)で74人がインフルエンザに集団感染し、そのうち7人が死亡しました。
◇ 8日から21日までに74人が集団感染
兵庫県淡路島の養護老人ホーム「北淡荘」では、今月8日から職員1人がインフルエンザと診断されて以降、21日まで入所者165人のうち62人、職員28人のうち12人がインフルエンザを発症。職員と入所者合わせて74人が集団感染しました。
11日に99歳女性が脱水症状で死亡。14日に71歳と76歳の男性2人、16日80歳男性、17日98歳女性が死亡しました。いずれも死因は、肺炎とのことです。さらに19日に81歳男性が誤嚥(ごえん)性肺炎、21日には79歳女性が脱水症状で死亡しています。
◇ 先月までにワクチン接種を終わらせていた
北淡荘では、入所者は165人全員が個室で生活しており、昨年11~12月に全員が予防接種を受けたとされています。集団感染の発生後は感染防止マニュアルに基づき「発症した入所者に個室から出ないよう求める」などの感染拡大の防止に努めていたと話しています。
◇ 21日まで今回の事案を公表していなかった
北淡荘は、11日に兵庫県洲本健康福祉事務所に集団感染を報告。報告を受けた事務所は職員を派遣し、未発症の入所者と職員に「抗インフルエンザ薬を予防投与」などといった感染拡大の防止策を施設側に助言していたということです。また、事務所は施設側の対応について「おおむね必要な対策が講じられていたので、問題はなかった」としており、21日夕方まで今回の事案を公表していなかったということです。