10月中旬から11月中旬までの約1か月間に、施設に入居をしていた高齢者女性6人が相次いで死亡していることが、21日に鹿児島県などによる情報により分かりました。
◇ 市に「施設で死亡が相次いでいる」と通報があった
問題となっている施設は、鹿児島県鹿屋市にある2012年に開設された住宅型有料老人ホーム「風の舞」です。
介護サービスについては、隣接する訪問介護事業所から介護職員が派遣されていましたが、今年8~9月にかけて全員が退職したため、日中は系列施設から派遣された看護師が対応、夜間については、同ホームの施設長が1人で対応していました。
死亡者が相次いだ時には、入居者は約40人が入居していたということが分かっています。
◇ 施設側は、落ち度はないと主張
今回の問題について、老人ホームの関係者は「施設に落ち度はない。全員寿命というしかない」と主張しています。通常より介護サービスが出来ていなかったとしながらも、入居者の死亡と介護職員の退職の因果関係はないとの認識を示しています。
◇ 寿命が死因というのには、疑問符がつく
グループ統括の「波江野 力」院長らが記者会見で死因について、下記のように発表しました。
・死亡した6人の女性の年齢は「85~97歳」
・老衰・・・2人
・消化管出血・・・1人
・腎不全・・・1人
・心不全・・・1人
・誤嚥による窒息・・・1人
死亡した6人はいずれも寝たきりの状態で、点滴で栄養補給していたということです。また、死亡した女性らの死亡診断書は、すべて波江野力院長が書いていました。
16日、県は「老人福祉法」で、市は「高齢者虐待防止法」に基づき、立ち入り検査を実施。施設の運営が適切だったのか調査を行っており、県は内容を精査した上で、必要であれば業務改善命令も検討しているということです。