当時70代の知人男性から、架空の少女になりすまし現金を詐取した疑いで、58歳の女が11月20日に書類送検、起訴されていたことが分かりました。また、福井地裁で同日、初公判が開かれ、被告起訴内容を認めています。検察側は、懲役1年6月を求刑し、即日結審しました。
◇ 展示会の作品を出すためなどの名目でだまし取る
起訴状によりますと、被告は知人男性に架空の少女を電話で紹介した上で、自ら少女になりすまし、電話で実在する少女だと男性に信じ込ませました。その後、展示会に出るための宿泊費や交通費の名目で、5月20日に3万円、5月23日に4万円をだまし取ったとされています。
また、起訴された案件の他にも、男性から70~80回にわたり、総額「500~600万円」をだまし取ったとされています。
◇ 自ら声色を変え小学生になりすまし信じ込ませていた
検察側の冒頭陳述によりますと、昨年9月ごろ、被告は「家出をした小学生を預かっている」「育ての親から暴力を振るわれて家出をし、山形で面倒をみている」などと男性に嘘の説明をした上で、自ら声色を使い小学生の少女になりすまし、実在するかのように信じ込ませていました。
◇ 男性が市役所に相談し発覚
男性は個人での支援に限界を感じ、また「才能ある子には、公的支援が必要だ」と思い、福井市役所に相談したところ、詐欺事件だったことが分かりました。
検察側は、論告で「男性の善意につけ込んだ悪質且つ狡猾な犯行」と非難。被告は、被告人質問に対して「生活費が欲しかった。人のいい男性をだまして申し訳なかった」と述べました。