北海道札幌市にある介護施設で入所者、職員ら87人が新型コロナウィルスに集団感染し、うち15人が死亡している中、札幌市は今月16日に現地対策本部を立ち上げ、施設職員ともども新型コロナウィルスの感染拡大の鎮静化に努めています。
集団感染が起きたのは、北海道札幌市北区にある介護老人保健施設【茨戸アカシアハイツ】です。4月21日、介護老人保健施設(以下、老健)と1階で繋がるディケアセンターで1人の感染が判明。施設間では介護職員等や入所者の往来は頻繁にはありませんでしたが、同じ休憩所やトイレを利用することがあったということです。感染が判明した21日以降は出入りを禁じていましたが、同月26日に初めて老健施設の入所者が感染すると、一気に施設内に感染が広まりました。
同施設は2階建てで、居室構造は2人部屋8室、4人部屋が21室。5月14日のPCRの検査で75人中44人が陽性と判明しており、最初の感染者が出た4月27日以降からは、陽性に利用者は2階、陰性の利用者は1階と区分けをし、介護職員・看護職員が防護服を脱着する【中間スペース】も設けました。区分けについては、陽性や感染の疑いのある人がいる【レッドゾーン】、防護服を脱いだりする中間の【イエローゾーン】、清潔で安全な【グリーンゾーン】などと区分けされています。
ただ、居室の出入り口はカーテンで仕切られているだけで、食事は各階の食堂で互い違いにし間隔を空けて一緒に取っている状態です。また、1階の陰性者が陽性と分かり、2階へ移動するケースもあったということです。看護職員は1階2階ともに担当していました。
現地の対策本部によりますと、感染者87人のうち21人が介護・看護職員を占め、通常であれば、双方30人程度の人員が必要ですが、今月18日現在で24人足りていない状況とのことです。
●茨戸アカシアハイツに入所する家族の声
人員が足りない状況を受け、別の医療法人から応援に入った介護職員3人の受け入れを行い、看護師の受け入れは既に行っていましたが、介護職の応援は初めだということです。