沖縄:介護保険制度のあり方、見直しを考える

2018年9月23日に「沖縄介護ウェーブのつどい2018」が浦添産業振興センターで開催された。ここでは、沖縄県内の介護職や利用者の現状についてや、現在の介護保険制度の問題点などを訴えた。

現在の日本の社会保障制度は衰退の一途を辿っていると指摘した上で、社会保障制度の抜本的な見直しおよび改革が必要と訴えかけた。またその際に、医療や介護の先進国であるドイツを例に挙げた。

◇ 現在の介護保険制度の問題

現在の介護保険制度は、医療から介護を切り離し、増え続ける高齢者の医療費を抑制する考えである。いわゆる「病院から在宅へ」。

確かにこのやり方だと、医療費が削れる可能性はある。しかし介護費用の個人負担が増えるため、保険料や自己負担分を払えない人などが続出し、介護や在宅医療サービス(※1)を受けたくても受けられないという高齢者が増える可能性が出てくる。

そういった高齢者が介護保険サービスを受けられなくなれば、その家族が介護離職をせざるを得ない状況になってくるのだ。そして働き盛りの世代がリタイアをすれば、当然日本の社会経済は衰退していく。

また同時に介護職についている家族の離職が増えれば、当然介護業界は慢性的な人材不足になると懸念される。

(※1)在宅医療サービスでも一定の条件を満たしていないと「介護保険」としての利用となる。例えばガン末期の方で訪問看護の利用の場合は、「医療保険」からの利用になる。

◇ ドイツの医療と介護とは

ドイツは、介護に対する理解が社会全体に浸透しており、例え家族や知り合いなどが介護を行った場合でも、その対価が支払われるという制度が存在する。そのため、日本では介護を商品およびサービスとしているが、ドイツのように社会全体で取り組んでいく必要性があると呼びかけた。