2016年11月に、東京都立川市緑町にある国立病院機構災害医療センターの敷地内で車を暴走させ2人の男女を死亡させた事故に対して、東京地裁立川支部は運転していた「上江洲 幸子」被告(85)当時83歳に、禁固2年の実刑判決が言い渡されました。
当時の事故の経緯としては、立川市の国立病院機構災害医療センターに駐車していた料金を精算機で支払い中に、車が暴走し縁石を乗り越え、歩道を歩いていた八王子市に住む会社役員・安和竜洋さん(当時39)と小平市住むパート従業員・市川妙子さん(当時35)をはね死亡させました。
◇ 認知機能の衰えが原因ではない
裁判で検察側は「ブレーキ痕もない。アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故」と指摘し、禁固4年の求刑に対して、弁護側は執行猶予がついた判決を求めました。
2018年5月30日の判決で、東京地裁立川支部の宮本孝文裁判官は「85歳と高齢だが、認知機能の衰えが原因での事故ではない。2人を死亡させた結果は極めて重い」と強く指摘し、禁固2年の実刑を言い渡しました。
また裁判を傍聴していた安和さんの遺族は「高齢者には運転をしてほしくない」と話していました。